兵庫9-1. 一庫大路次川 平成25年3月19日(火)快晴

今日も能勢電に乗り平野駅で下車。平野駅前には目指すバスターミナルは見当たらず、地図で見ると国道の向こうの丘の中腹に在る。7分遅れでやってきた阪急バスは見慣れない色のミニバスである。駅の西に広がる巨大な団地の中を通り抜け目指す文殊橋バス停に降り立ったのが10時30分。今日は猪名川の最大の支流である一庫(ひとくら)大路次川を遡行することにし、最初の橋の名前であるこのバス停からスタートする。
この川は京都府亀岡市畑野町から流れ出し、大阪府能勢町、兵庫県猪名川町、川西市とわずか26kmの長さの川にもかかわらず2府1県を流れる態度のでかい川である。今の府県境は川の流れを無視して引かれた線で自然の流れを無視している。能勢町の南端部は兵庫と京都に挟まれ僅か2kmしかない。川の名前は兵庫では一庫が頭に付くが京都と大阪内の流れは大路次川である。
バス停から北の方の川に降りて来るとそこは新名神高速の川西インターの工事の真っ最中である。先日の余野川では箕面インターが工事中であったが、ここも少し広くなった谷間の地形を当て込んでインターが設置されるようだ。
畦野地区に入ると例の土蔵の小僧がこちらを見つめている。「またやって来たのかヨ」、「まいど!」。

 01.新名神の川西インター工事の真っ最中

 02.ここでも睨まれちゃったヨー

川名にも取り入れられた一庫地区から狭い谷間となる。一時国道173号を歩き、国道は歩道の無いトンネルと橋で頭上高く登って行く。当方は複雑な道を辿り谷間に入って行く。
旧国道の前川大橋に来ると河川管理境界標識が親柱に立ててある。下流側は兵庫県が上流側は国と普通の川と逆の表示になっている。猪名川河川事務所が猪名川の下流部とこの一庫大路次川のダム湖前後を管理しているようであるが、この程度の川で一つの事務所が必要なのか疑問に思う。

 03.上流側を国が管理は珍しい

直ぐに一庫ダムが現れる。ダムは高さ75m、幅285mと高さの割に幅が広い。ダム下の公園のベンチで昼を摂る。15分で切り上げ急な遊歩道を登りダムの上に立つ。満水状態の知明湖が広がり、ダムの上は2車線と歩道があり広い。この道は県道・府道604号となっており、ダム上が県道とは珍しい。ダムは一庫大路次川に田尻川が合流する直ぐ下流部に建設され、ダム湖が二又に別れている。当方は左側の方の湖沿いに道を進む。

 04.一庫ダムは長さが285mも有り長―い

 05.知明湖は二又に分かれている

国道は湖岸沿いを一直線にトンネルと橋の連続で北を目指しているが、湖岸沿いの道は地形に忠実に曲がりくねっている。今日は初夏の暑さでとても3月中旬とは思えず、セーターを脱ぎシャツの袖をまくって夏の姿で歩く。やがて湖面にオレンジ色を映したランガーアーチ橋が現れ、これを渡り左岸側に廻る。左岸から右岸側を見れば国道の橋の奥に大きな清掃工場が見える。川沿いで見たゴミ焼却場では一番大きい施設で、丁度ここが川西市の外れである。

 06.大きなランガーアーチ橋が湖面に映える

 07.川西市の外れに1大きな清掃工場が

国道は多くのタイプの違う橋とトンネルの連続で、対岸からは種々の橋が見える。丸山大橋はアーチで、続いての龍化橋は塗装塗替えで全面カバーに覆われているが、その長さと高さの関係からトラス橋と判定する。

 08.こちらにもアーチ橋が

09.ただ今お化粧直しの真っ最中

両橋の間に有った遊歩道の龍化吊橋は、木製の主塔、床の珍しい吊橋であるが立入禁止の看板が建っている。未だ新しい橋なのにどこの具合が悪いのか分からない。
千軒橋で遊歩道が終わり国道の歩道を歩くことにする。ダム湖が尽き普通の川となり澱みの石の上に亀の親子と少し離れた石の上には川鵜が獲物を狙っている。珍しい組み合わせなのでカシャ。

 10.木製主塔の吊橋

 11.亀(手前)と川鵜(奥)が水面に

国道の下山橋の手前から普通の道に入り右岸側を進む。猪名川町と能勢町の府県境の南側には猪名川町の清掃工場が建ち、北側には能勢町の下水処理場が現れる。市町村境には集落が少ないのでこれらの施設が数多く見うけられる。(

 12.猪名川町の外れにも清掃工場が

 13.直ぐ隣には能勢町の下水処理場が続く

国道の鳥越橋からは大阪府能勢町となり、国道脇の歓迎の看板から栗が名産であることが分かる。国道のトンネルには歩道が無いので府道104号を北に進む。再び国道と出会う下田でバスの時刻が迫り今日の遡行はここまでとし、近くの清水橋バス停に向かう。今日は橋名のバス停から始め橋名のバス停を終わりとなった。山下駅までのバスには多くの乗客が乗り、さすが1時間に1本在る路線である。

 14.谷間が開けると大阪府能勢町に入る

 15.能勢町は栗が名物のよう

今日の歩行距離:12.5km。調査した橋の数:20。
総歩行距離:5,747.6km。総調査橋数:9,257。
使用した1/25,000地形図:「広根」(京都及大阪11号-2)、「妙見山」(京都及大阪11号-1)