旧南光町と上月町内の川は2年前の洪水で打撃を受け、護岸造成工事が延々と行われている。ここで働いている重機をよく見ると、いろいろな装備を付けショベル掘削、削岩、クレーン、土の敷均しなどの作業が直ぐに出来るようになっている。子供の時にほしかったいろいろな形をした金具を収めたスイス製の多機能ナイフのようでもある。
橋の直ぐ下流で千種川最大の支流「佐用川」が合流する。本流沿いよりも支流沿いの方が交通の動脈になっており、国道も智頭急も支流の方に逃げ、本流は県道だけとなり母屋を取られている。
左岸の山の麓に紅葉に囲まれた真言宗御室派「清林寺」が佇んでいる。日本の秋はエエナー。
やがて河野原円心駅に近づき、前回寄れなかった駅近くの宝林寺の円心館に立ち寄る。館内には赤松三尊像が安置されており、寺の入口に三尊の由来説明板がある。
今日の歩行距離:13.2km。調査した橋の数:12。
累計歩行距離:819.7km。累計調査橋数:1,219。
使用した1/25,000地形図:「上郡」(姫路11号-4)、「上月」(姫路11号-3)、「三日月」(姫路11号-1)
前回は下流に向かった出発地点に戻り、今日は上流に向かう。姫新線の鉄橋付近まで来ると道は行き止まり。止む無く来た道を戻り大きく迂回して鉄橋の反対側に廻る。1km以上のロスが生じてしまったが、今日は川沿いの県道を佐用町のコミバスが通っているため、バスの起点まで行ければ上々であるが、途中の限の良いバス停からも乗れるので気楽に歩けるので良しとする。
川沿いを再開して歩くと、先年の洪水で橋げたを流された橋が橋脚と、彼方に流された橋げたを残して哀れな姿をさらしている。川沿いが歩けない区間では国道179号を通るが、立派な参道と大きな屋根が目立つお寺があった。真宗本願寺派のお寺で、さすがメジャーな宗派でマイナーな香川の興正派はとはスケールが違う。
今日は南北に細長い旧南光町の南端付近から北端付近まで千種川の中流を歩くことになる。先日も工事が行われていた川の改修工事が、今日の歩く区間でも行われている。こちらは発注が遅いのだろか準備工事中で、護岸工事を行う前の川の中に締切堤防を流れに沿って造成中で、水が遮断されたところから護岸堤を作るための掘削工事をやっている。
やがて河川工事の区間も終わり、全国名水百選に選ばれた川らしい清流が姿を見せてくれる。太田川以来の清流である。中国道が横断する場所に河川名の入った標識があったのでカシャ。
狭い谷間から広い谷間に来ると正面の紅葉の終わりを見せている山が雲間の陽を浴びている。両岸に田圃の有る川岸の木も鮮やかな黄色を見せてくれる。
少し北上すると田圃に囲まれた川が突然見事な渓谷となっている。緑石と深い淵が濃緑色を見せ、突然変異に驚く。川岸には河童伝説と河童の説明板がある。川沿いを歩かなければ分からない珍光景に出合い、遡行ならばの醍醐味が味わえる。
県道は歩道が続き、長い川沿いの道を歩き、18kmほど歩いた所でバスがやってくる時刻となり、予定していた起点のバス停から二つ目の1km手前のバス停でバスを待つ。丁度歩き始めた所でのロス距離分予定地点の手前で終わりとする。座る所が見当たらないため控えていた昼飯をバス停の止まり木に腰かけ取っているとバスがやってきて乗り込む。佐用駅近くの役場まで20kmほどを40分で走り300円。次回はこのバス停から再開し、源流部近くまで歩くとする。
累計歩行距離:848.2km。累計調査橋数:1,260。
使用した1/25,000地形図:「三日月」(姫路11号-1)、「土万」(姫路10号-2)、「千草」(姫路10号-1)