愛媛1-4.舟戸川(その1平成25年4月25日(木)晴

 

 肱川流域図

 

再び大洲駅に降りたつ。今日は手前の内子駅で一旦特急を捨て、駅で大洲までの切符を買い普通列車に乗りなおした。これで310円の特急料金分を節約して昼飯に投資することにする。内子駅入口にある自販機を良く見ると、内子座が描かれており自販機でこういう絵を見たのは初めてである。

大成行きバスまでは1時間もあるので駅近くの「たる井」で名物の「焼きさつま」を食す。大洲で名物の鮎、芋煮は食べたがさつまは未だであった。南予名物の鯛を焼きほぐし、これを麦みそに混ぜたドロドロの汁に薬味をかけて食べる。薬味は細い糸コンと干した蜜柑の皮と葱。甘みが強く、名物に美味い物・・・。

 

 01.地域性溢れる自販機

 02.これが南予名物のさつま

 

宇和島バス大洲営業所で暫し待ち、前回と同じバスで終点の大成に向かう。今日明日と肱川4番目の支流である「舟戸川」を目指す。複雑、希少なバスのダイヤと宿泊所を比較検討し、先ず川の途中の大成に向かいそこから本流との合流点まで下ることにした。

先日に下車した鹿野川バス停を越えバスは肱川から離れ右岸側の山の上に向かって登って行く。山の上は広い平地が広がり各種施設と民家が固まり、田畑もある。狭い渓谷を避けて山の上に住みかを見つけたようだ。1車線の狭いトンネルを抜け舟戸川の渓谷にバスは向かう。野村からの県道が一緒になった所が大成で、県道が大きく回り込む沢の少し広くなった所が終点。この辺鄙な沢が3方向に向かうバスのターミナルで、数名の乗客が川の上流の惣川地区に向かうコミバスに乗り込んでいく。今来た大洲からのバスと先に到着した野村からのバスが転回場で並び、行先を見れば方や大洲病院、此方野村病院と病院行が並んでいる。両雄は次の惣川からのコミバスが降りて来るまでここで待機。

 

 03.どちらのバスも病院行

 

当方はここから県道を下り肱川本流との合流点である坂石を目指す。舟戸川の谷間は深く、県道から川までの標高差は100m以上ある。ミニ祖谷渓の様相をし新緑が鮮やかである。所々で山藤が大きな木に纏わりつき妖艶な花を咲かせている。渓谷の川面が全く見えず下から流れの音がかろうじて聞こえてくる。

途中面白いバス停名を見つける。「親分、親分、珍しいバス停が有屋下」「おう、なんてー名前でー?」「だから有屋下ですぜ」「・・・」。

 

 04.山は山藤の季節

 05.深い谷間が続く

 06.こんな所にバス停が有屋下

 

谷間の標高差が少しずつ減ってくるが橋を見つけると坂道を下り、再び急坂を登って汗をかく。黒瀬川との合流点が近づくと河成地区に入る。小学校の校舎は猫の額のような狭い所に建ち、県道脇の離れた場所には立派な相撲場が控えている。さすが相撲の盛んな野村町である。児童数が少ないのでこの相撲場で稽古はしていないかも知れない。集落の家の前には赤と白の可憐な花が咲いている。「あなたのお名前何てーの?」。

 

 07.立派な相撲場が校舎とは別に

 08.可憐な花が咲いているが名は?

 09.こちらは赤色バージョン

 

黒瀬川との合流点に架かる県道の舟戸橋は本流のダム湖である鹿野川湖の広い水面に架かっている。離れた所からこの橋を見ると、橋の真下にある旧橋が満水状態のダム湖にアップアップの沈没状態になっている。両河の合流点から直ぐの500mほど下流で肱川本流に再度合流する。この間はどちらの川なのかが地形図には記載されておらず、この間に架かる二つの橋の親柱を見ても「鹿野川湖」と記載され、県道沿いの家の人に尋ねても、「さあー?」。

 

 10.舟戸川と黒瀬川の出合点はダム湖

 11.舟戸橋の下の旧橋は満水で沈没

 

黒瀬川に架かる国道と県道の橋を渡り、取りあえず黒瀬川とした川の左岸の坂石の集落を通過する。県道の現場打ちの法枠の水平部分には菖蒲系の花がけなげに咲いている。こんなに狭い隙間で勝負している。直ぐに黒瀬川と本流が合流する地点に着く。本流遡行時に訪れた場所で今日もダム湖は鏡のように静かである。

 

 12.法枠の狭い隙間で勝負

 13.本流と黒瀬川(右)の合流点

 

野村行きのバスまで1時間ほどあるので前回歩いた歩道完備の湖岸の道を再度バスの時間まで歩ける所まで歩くことにする。前回工事中であった山側の落石防止工が完了し、新しい見たことの無いシンプルな柵が完成している。地元の言葉で書かれた交通標語が面白い。香川では見られず、徳島では見かけた地元言葉の標語に思わず笑ってしまう。

 

 14.最新の落石防止柵はシンプル

 15.南予の言葉で啓蒙

 

バスの通過時刻が迫って来た鎌田バス停で暫しバスを待つと、直ぐ近くの石材店にペットのお墓は如何かとサンプルが置いてある。人にもこんな可愛い墓があってもいいなー。

県道の眼前の法枠の間詰めがコンクリや砕石では無く木になっている。これなら目に優しく排水も十分出来、地元の材料を有効活用でき一木三鳥である。

 

 16.可愛いペットのお墓はこちらにどうぞ

 17.法枠の間詰めは木材を使用

 

やがてバスがやって来て今宵の宿のある野村に向かう。珍しいビジネスホテルであるが玄関で靴を脱ぎ2階の狭い部屋に入る。スリッパで部屋に入る珍ビジネスホテルである。

本日の歩行距離:10.3km。調査した橋の数:6。

総歩行距離:5,858.3km。総調査橋数:9,437。

使用した1/25,000地形図:「鹿野川」(松山8号-1)、「野村」(松山8号-2)