愛媛-5.関 川 平成24年12月10日(月)晴れ
今日は待ちに待った青春18切符の利用開始可能日である。朝早く乗った庭瀬駅からの山陽線上り電車は、青春切符利用者と直ぐ分かる高齢者が溢れている。岡山、坂出、観音寺と乗り継ぎ、伊予土居駅に降り立つ。手前の駅名が「赤星」、次の駅名が「関川」とかつての阪神の名前が続く。
駅前になんとも時代離れした居酒屋兼の食堂がある。ごめんよ、と暖簾を潜りお銚子をといきたいが朝からでは無理なので隣のタクシー乗り場へ。これから歩く関川の最下流の橋までタクシー利用とする。このタクシーの名前が「松屋タクシー」。タクシーらしからぬ名前で旅館の名前のようなので運転手さんに聞くと、「もともとは駅前で松屋旅館をしていた」とのことで、ピンポンー。
関川は、吉野川水系と瀬戸内海との間に重畳と東西に連なる高山の内の「東赤石山(H=1,706m)」の北斜面から流れ出し、北から東に方向を変え燧灘に注ぐ16km余りの川で、その平均勾配は8.5%も有る急流である。河口付近に架かる藤崎橋から海の方向を見れば見事に川には水が無い!上流側を見れば、今シーズン初の寒波到来で高山は雪が積もり、まるで信州に来たかのような景観である。東西に連なる山脈の北側の山裾は見事に一直線に鉈で切り取られたように30度程度の勾配で揃って並んでいる。寒風吹きすさぶ川沿いの右岸側の道を西に向かう。
4番目の大谷橋で左岸側に渡ると最初の支流「浦山川」が合流する。浦山川の奥には二ツ岳(H=1,647m)の険しい岩山が眩しく見える。反対側では、新居浜市の東側に海まで広がる山塊の南端の山の採石場跡が現れる。見事に地層の傾斜角が分かり、南側の山脈の山裾の角度と同じ30度程度の傾斜角になっている。
予讃線の橋を調べ関川駅の有る北野地区に入ると、鮮やかな黄色の壁と青色の屋根が目立つ家が目につく。良く見ると民家の再生、補修を生業としている会社のようで、自ら再生の手本を示している。
南側の山脈と北側の山塊との間の谷間が徐々に狭まり、道は少しずつ傾斜がきつくなってくる。国道11号はこの谷間を西進し新居浜の南に向かう。予讃線は新居浜を無視するわけにもいかず、この山塊の低い峠を短いトンネルで潜り西に向かう。
川は少しずつ西から南に方向を変え、傾斜がきつくなってくる。これまでの徐々に狭まる谷間に別れを告げ、南側の超狭い渓谷に入って行く。
国道11号を越えると国道と付かず離れずに沿っている旧金比羅街道に出会う。集落は新しい国道沿いでは無くこの街道沿いに続き、生活が営まれている。街道にはあの見慣れた「四国の道」の標識が建っている。
急坂を登れば山裾を並行に走る松山道が現れ、ここから川は超狭い渓谷に入って行く。渓谷の奥に集落は無くバスも無い地域であるので、遡行はここまでとして国道の上野バス停に向かう。古い民家が立ち並ぶ集落を下がりバス停に来ると、次のバスまで30分余りなのでバス停に有る壊れかかったベンチに座り、遅い昼のお握りを寒風の吹く中で食べる。言いたかないが侘しいネー。
本日の歩行距離:10.4km。調査した橋の数:13。
総歩行距離:5,359.9km。総調査橋数:8,754。
使用した1/25,000地形図:「東予土居」(高知9号-1)