兵庫-2.揖保川(その3) 平成23年12月21日(水)晴れ後曇り 

明日は冬至なので夜明けは遅く、山陽線和気駅付近から周りが明るくなり始め、県境を越えたころが夜明けとなった。姫路から姫新線に乗り継ぎ、前回の折り返し点の播磨新宮駅に降り立つ。
播磨地方は鉄道もバスも姫路を中心として放射状に展開しているため、岡山からは大回りをさせられる。神戸は県の南東端に位置し、北に六甲山が屏風のように立ち但馬、丹波、播磨などの県全体からすれば不便な所にあり、県庁は姫路にあった方が地理的に理にかなっている。かつて戦国時代に姫路が中国地方ににらみを利かせていた理由もうなずける。
途中の本竜野駅のホームに童謡赤とんぼを記念した歌詞とトンボを見上げる親子の銅像を発車間際に見つけ、動き出した車内からカシャ。上手く画面中央に像を収めることができた。

image1 01.本竜野駅ホームの童謡赤とんぼ記念像

駅の北口から揖保川に向かう。右岸の県道と堤防の上の河川管理用道路をひたすら歩く。この川は他の川に比べ橋が少なく、4キロ近くも橋の無い区間もある。県道を歩いていると山崎から網干に向かう神姫バスが通りかかったのでカシャ。神姫バスは、広い兵庫県の過半の播磨、丹波、一部の摂津地方を網羅している。かつては岡山県の北東部もエリアとしていた。公営バスの多かった山陽筋も市営バスの撤退が相次ぎ、姫路市は既に神姫バスに路線を譲り、神戸市も一部路線を譲り、明石市は来年春から譲る予定となっている。倉敷市は早々に撤退し、尾道市、三原市も撤退し、呉市もまもなく撤退する。この流れは大都市も避けられない状況になっている。

image2  02.兵庫県の大半を網羅する神姫バス

たつの市新宮町から宍粟市に入る。宍粟市(しそうし)とは馴染みのない地名であるが平成の大合併で宍粟郡内の山崎町、一宮町、波賀町、千種町が一緒になった市で、郡名を市名にしている。岡山県の真庭市とその位置、市名が郡名からきているなど類似点が多い。兵庫県民でも阪神間の人は宍粟市を知っているだろうか。

image3  03.たつの市から宍粟市に入る

右岸を歩いていると県道80号線の橋が新しい橋に架け替えられ、旧橋の撤去工事が締切堤の中で行われている。新旧の橋の構造、幅に歴然とした差がある。橋の自然な耐用年数に達する前に、荷重、幅員、流路への影響などから新橋に建て替えられることが多い。

image4 04.旧戸原橋は撤去工事中

国道29号、中国道と過ぎ、山崎町の中心部に入り川から国道の方に向かう。市役所、警察署と多くの官公署が集まり、さすが北播磨の中心である。国道筋には牛丼、ハンバーガー、中華、うどんなどの有名チェーン店が立ち並び、今までの遡行で一番食事処が多く並んでいる。初めから道路地図で決めていた道の駅も街中に有り、こんな町の中心部に道の駅があるのも珍しい。道の駅「やまさき」は花札の「猪鹿蝶」ならぬ名産の「猪鹿鳥」料理が名物のようで幟がいらっしゃいと招く。席につき猪鹿は値段が張るので鳥の鴨蕎麦を食す。姫路駅内のおにぎりやで買ったおにぎりは夕食に回し、温かい蕎麦で温まる。

image505.道の駅「やまさき」では猪鹿鳥料理が名物

更に2kmほど歩き、帰りのバスの時刻が近づき最寄りのバス停に来ると目前にスーパーがあったので食品を買ってバスに乗る。山崎から当初は新宮駅に向かう予定であったが、1時間以上の待ちとなるので、まもなく発車する姫路行きに乗り、途中の余部駅で降り、姫新線に乗り継ぐ。これで1時間早く帰宅できた。

今日の歩行距離:14.9km。調査した橋の数:10。
累計歩行距離:909.9km。累計調査橋数:1,325。
使用した1/25,000地形図:「安志」(姫路7号-3)、「山崎」(姫路6号-4)