岡山-1.旭 川(その5)平成26年10月4日(土)晴れ一時曇り
秋本番!大型台風接近が確実なので鬼の来ない内に近場の歩きをしておく。今日も旭川を目指し福渡駅に降り立つ。先日駅前のバス乗り場の時刻表を見ると、5年前に何度も利用した旭川上流の久世に向かう「さくらバス」が廃止されたのか見当たらなかった。帰宅して調べると、福渡駅のある旧建部町と南隣の旧御津町に新しく「御津・建部コミニティバス」が運行を始め、さくらバスの組合から撤退している。コミバスは旧建部町の北の端の笑田まで運行され、さくらバスは隣町の美咲町の南端から北に向かっている。両市町境でバスは切れてしまっている。喧嘩別れをしたようで困ったものだ。しょうがないので今日はコミバスの終点近くの旭川ダムまでとして、駅から予約の電話を入れておいて出発する。この昼間のコミバスは予約制で、駅前のバス停には記載されていない。
駅前の中国自然歩道の案内図を見ると、これから歩く地域は岡山県のほぼ中央部であることが分かる。
街中の道を500mも歩くと国道53号に合流する。この道は何度歩いたことだろうか。津山線と歩道付きの国道53号、旭川の三者が仲良く並んで北に向かっている。1.5kmほどで仲間は分かれ、鉄道と国道は旭川と袂を分かち、支流の「誕生寺川」の方に付き北東方向に向かう。旭川は反対の北西方向からの流れとなる。誕生寺川とは浄土宗の開祖「法然」の出生地にある誕生寺に由来している。
当方は旭川に向かうので三叉路から県道30号に入る。岡山の1級国道は2号、30号、53号と有り、先日の県道53号に続き今日の県道30号と頭が混乱する番号が続く。
交通量の減った県道に入ると道際に3体のお地蔵さんが祀られ、右端の1体は首なし地蔵となられている。今日は秋風の吹く涼しい天候で、熟しかけた柿の実が青空に映える。すぐ隣の民家の庭先には真っ赤に熟した柘榴とコスモスが並んでいる。いよいよ秋本番の到来である。
誕生寺川の本流に合流する寸前の橋を渡ると、これまでは坂道を感じなかった道が坂道となり、下流域から中流域に入ったことを足が感じる。道沿いに連なる集落を過ぎると、今日唯一の橋である品田橋が現れる。橋の上流側の袂には初代の橋に付随していた石銘板が残してある。いよいよここから山峡部に入り、橋の超少ない区間となる。直ぐに洞門が大きく口を開けて待っている。
左岸側を大きく回り込むと旭川第二ダムが川を堰き止めている。幅は広いが高さは低く、ダムと言うよりは大きな堰である。青々とした湖面を見ながら進み、鶴田地区に入ると県道沿いに南無妙法蓮華経の文字が彫られた石碑が建ち、奥の方にお寺が建っている。先ほどの県道に入ってすぐの所にも日蓮宗の寺が有ったが、この地域は日蓮宗のお寺が多い。法然の本拠地なのになぜだろう?土佐の遡行時には見かけることの少ないお寺が岡山に戻ると多く有る。
坂道の連続となり遠くから第一ダムが見えてくる。こちらは規模がデカい。県営のダムで右側には発電所も付いている。徳島県の那賀川の県営のダムと発電所を想い出す。ダムの横のトンネルを過ぎると湖岸が広がる。ダムの頂上から下流を見ると、高さはそれほどでも無いが幅が広い。ここも岡山市とは信じられない。政令指定都市に大きなダムと発電所の有る都市は少ないだろう。
予約したバスまで40分ほど有るので付近を散策して時間を稼ぐ。バス停には朝夕のさくらバスと接続している2便ずつの時刻のみが記載され、昼間の予約便は書かれていない。さくらは散ってしまったのだ。やがてトンネルから件のワゴン車のコミバスが到着し、Uターンして川を下って福渡に戻る。次回もこのバスを予約して笑田口まで乗車し、上流に向かうことになる。
本日の歩行距離:8.2km。再調査した橋の数:1。
総歩行距離:7,472.4km。総再調査橋数:32。
使用した1/25,000地形図:「福渡」(高梁3号-2)、「下加茂」(高梁3号-4)、「西川」(高梁3号-3)