高知-2.四万十川(その9)平成25年11月27日(水)晴れ後曇り

朝7時10分、ホテルをチェックアウトして前のバス停でバスを待つ。朝早いので朝食は取れず昨日のお握りを6時過ぎに食べて朝飯とする。今朝は冷えて手元のミニ温度計は2度である。やがて始発の窪川行き高南観光バスがやって来て新聞を降ろして出発する。もちろん貸切である。昨日歩いた道とは別の川向かいの県道を走り、10分ほどで本流合流点の中津川分岐バス停に着く。昨日は若干風が吹いていたが今日は無風の天候である。本流沿いの県道19号は幾分狭くなった渓谷を北に向かう。川はここから再び大きな屈曲の連続で、県道もほぼ川に忠実に付き合って屈曲を繰り返す。静かな川面に川霧が漂っている。一軒の家の二匹の犬が遠くから吠えたてて迎えてくれる。めったに人が通らないのであろう。

image1 01.屈曲する川面に霧が

二度目の屈曲を曲がると上秋丸地区となり、右側に見慣れない形の橋が現れる。地形図を良く見ると昨日通過した発電所に送る送水管路の谷間の橋である。発電所から10kmほど先の堰から送水管が川沿いに引かれ、谷間では橋となっているのだ。農業用水路のように川沿いに送水管に初めてお目にかかる。

image2 02.発電所に向かう送水管は橋の上

水路と橋を右に見ながら北に進むと今日の折返し点の大野見からのバスが乗客ゼロでやって来る。中型バスが悲しげに通過して行く。昼過ぎには乗ってやるからな!

image3  03.大野見から窪川に向かうバスは乗客無

やがて旧窪川町から海沿いの中土佐町と合併した旧大野見村に入る。間もなく県道は野老野(ところの)橋で西側に渡り、屈曲にいつまでも付き合えないのか高度を上げて行く。県道を歩けば途中の橋を見るには100m近くの坂道の往復となるので橋の袂の狭い路に入ることにする。2m程の路の両側には良く枝打ちされた杉の木が立ち並び、まるで物の怪が出て来そうな雰囲気である。

image4  04.旧窪川町から旧大野見村に入る

image5 05.杉の間の細い路に入る

30分程で栂の川大橋と出会う。この先地形図上の左岸側の道は道幅1.5m未満のあの嫌な破線である。今まで何度かこの破線には騙されてきたが、再び県道に戻るのは心臓に堪えるので破線に向かう。朽ちた神社の横の道なき所に入るとそこはあの送水路の管理路となっている。50cmにも満たない幅の水路沿いの平地を心細く進む。南側には無かったフェンスと鍵の掛かった扉が途中と出口に有る。なんとかこれを乗り越えて次の橋にたどり着く。難路のベスト5に入る路であった。

川は北から東の方向に変わる。普通の道となった村道を進むと送水管の元になる堰にたどり着く。この先に再び破線が有るので今度は橋を渡り県道19号の方に向かう。

image6  06.送水路の横の管理路を進む

image7 07.ここが堰と取水口

県道は屈曲の根元のミニ峠となり、汗をかきかき坂道を登る。峠を越え川に下ってくると大野見村最初の沈下橋である長野沈下橋が見えてくる。この橋は後刻乗った窪川行きバスがなんと通っていくのである。今歩いた峠付近には人家が無いので、対岸に向かうため敢えて沈下橋を渡ると運転手さんが言っていた。つまりあの破線は今ではバスが通れる広さがあるのである。破線に二度騙された!

image8  08.大野見村最初の沈下橋

image9 09.長野沈下橋は路線バスも通る

この付近は地形図の隅を屈曲しながら川が流れているので、4枚の地図を同時に見ながらの歩きとなる。再び谷間が広がり苔むした狛犬などが鎮座する住吉神社でホテルの朝飯替わりのお握りの昼を摂る。おかずは少量のたくあんだけである。これで朝食の振り替えは高い。コンビニおにぎりと比較したら二個で100円というところである。朝、昼とささやかなお握りの連続である。粗食に耐えて歩くのだ。

image10 10.苔むした住吉神社で昼を摂る

やがて大野見の中心の奈路に入る。入口には地形図には載っていない2車線の立派な町道の橋が架かっている。親柱が固定側の橋台の上と可動側の橋の上に跨って、間が大きく空いている。全部橋台の上に作れば良いのにと独り言を言う。更に進むとなんと窪川には見られなかったマンホールが現れる。図柄はホタル、モミジ、ツツジのようである。

image11  11.橋台と橋に跨った親柱

image12 12.大野見村にはマンホールが有った

バス停留所のある旧村役場近くの郵便局に立ち寄りくだんの年賀状が有るか聞くとここには有りました。四万十川を歩いて川を絵柄にした年賀状を手に入れた。

破線歩きで予定よりも30分遅れて役場前の大野見バス停に到着する。目の前の役場はとても村役場とは思えない大きさである。

image13 13.元村役場は立派

直ぐにバスがやって来て貸切で発車。運転手さんは「本当にお客が無い。これではやる気が失せるきに」と言われる。道路改良が進めば進むほどバス利用は減る。窪川近くで2名乗車し、運転手ともどもホットする。50分ほど走り駅に到着する。運転手さんと又の再会を言い合って下車する。駅のキオスクで前回も買った、香り米入りの仁井田米を土産に帰路につく。今回も米の買い出し旅であった。

本日の歩行距離:14.2km。調査した橋の数:10。

総歩行距離:6,530.3km。総調査橋数:10,260。

使用した1/25,000地形図:「米の川」(窪川13号-3)、「新田」(高知16号-4)、「久礼」(窪川13号-1)、「萩中」(高知16号-2)