岡山-1.旭 川(その3) 平成26年9月24日(水)曇り
中韓と経由してきた台風崩れの低気圧接近で雨が心配であるが、なんとか昼までは持ちそうなので近場の旭川の三回目の歩きに出かける。かつて購入していた岡山のバスカード、晴れかカードにプレミアが付くようになったのを先日宇野バスの車内で知り、岡山駅前の宇野バスの案内所でカードに3千円を入金する。全国的にも早い時期に導入されたこのカードにはプレミアが無かったので、当初入金したのみで使い切り放置していた。あちこちのバスカードを購入、使用して岡山のカードの不真面目さに愛想をつかしていたが、やっと8%の積み増しが出来るようになった。ついでに古い宇野バスは使えなくなっているので、バスカードの残高分を現金に換えてもらう。
先日の折返し点である大原橋の左岸側のバス停である大原に9時24分下車。前回は右岸側の県道218号を遡行したので今回は左岸側を歩くことにした。
宇野バスは県道27号から暫し別れ、左岸側の土手の上を北に向かい直ぐに東に方向を変え牟佐集落の中を通り再び県道に合流して行く。当方はそのまま土手の上を北に向かい、県道27号の新大原橋の下を潜る。直ぐに堰が現れ、その先には山陽道が旭川を越えている。ここから10kmほどは両岸に山が迫り渓谷となる。吉井川も高梁川も河口から15kmほどで山が迫る渓谷となっている。右側から県道81号が現れる。JR津山線は渓谷沿いに線路を引いているが、岡山と津山、鳥取を繋ぐ国道53号はこの狭い渓谷を嫌い、はるか西方を通っている。堰の直ぐ上流が国と県との管理境界になっているのだが、それらしき標識が見当たらない。前回の遡行時にも見つけられなかった標識に替わる杭が道の石積みの上に有った。何とも愛想の無い境界である。
山陽道のトラス橋の下を通過しトラスの錆の状況を診る。前回は身内のことも有り厳しい目で見て△にしておいたが、5年たつとあちらこちらに発錆が有り文句なしの△とする。トラス橋は普通の桁橋以上に厳しい設計をしているので錆による断面減少を防ぐ必要がある。民営化の悪しき現象が心配である。
大きく川と道が湾曲すると県道は狭い1車線となる。四国の道と変わらへんやんか。道端にはコスモスと紫色の花が咲き競っている。
やがて大久保集落に入る。前回は対岸の県道からちらっと見えていた潜水橋の方に降りて行く。この橋は集落から対岸の牧山駅に向かう大事な橋である。段丘上で畑仕事をしていた地元の古老に橋と川の事を聞く。橋の名前は大久保の潜水橋と言い、増水時には着脱式の手摺を外し、流れて来る流木などが引っ掛らないようにしているとのこと。今年も既に3回やったとのことで、普段の歩きを安全にするために大変な努力をされている。過去に3回ほどこの畑が洪水で川になったこともあるとのことで、集落の家々は山際の高い所に建っている。
今は岡山市になった旧御津町に入る。今日は湿気が多く手元の温湿度計は29度、80%を示している。秋らしさになれた体に湿度が堪える。通行量の少ない道を汗をかきかき上流に向かう。西側から大きく山が双瘤迫出し、川は大きく湾曲する。津山線は双瘤の根元をトンネルでショートカットしているが、両岸の県道は仲良く川と付きあっている。
旭川はかつて多くの高瀬舟が行き交い、上流に向かう時は船を綱で引き、大きな岩にその時の溝が有ると田土の県道沿いに解説板が有った、直ぐ傍らの岩は黒く、溝も見当たらない。
御津町のマンホールも現れ、絵柄は秋一色である。
蒸し暑さにへばってきた頃に折返し点の葛城橋に着く。橋の手前の案内標識が橋の位置関係を知らせている。5年前は○であったが、トラス部材の根元部の補修部を除き発錆が見られたので今回は△と判定した。
対岸に渡りJR津山線の野々口駅に向かう。5年前に3度ばかり利用した駅であるが、貧相でこれでも政令指定都市内なのかと思うと情けなくなってくる。仁淀川流域のバス停の方がはるかに立派である。直ぐに隣りの金川行きの列車がやって来たので反対方向であるが、この駅で待っても金川から折り返したこの列車に乗ることになるので、冷房の入った列車で時間をつぶすことにした。火照った身体にクーラーは気持ち良い。
予想通り雨は降らなかった。
本日の歩行距離:13.3km。再調査した橋の数:4。
総歩行距離:7,420.4km。総再調査橋数:20。
使用した1/25,000地形図:「岡山北部」(高梁4号-2)、「金川」(高梁4号-1)