大阪1-4. 寝屋川(その5)平成30年9月23日(日)曇り一時晴

寝屋川最後の紀行に朝早く出かける。20km強の長さの川の遡行に5日もかかるとは!老いたるかな!いや橋が多すぎるんじゃよ。

前回折り返し点の京阪寝屋川市駅で下車。高架駅の下には東西にそれぞれ広い広場とバス乗り場が有る。東口の方が表口で広く、バス乗り場も路線数も多く、駅前には各種店舗が並んでいる。反対側は川との間に広場がありバス停もあるが少なく路線数も少ない。

京阪本線の北西側は淀川との間の広くもないエリアなので駅勢面積、人口が東に比べて少ないのが分かる。京阪の枚方から京橋まで沿線は平たんな河内平野に人家が連なり、多くの乗客が乗るため守口から野江まで早くから複々線化が図られ、今では萱島から4線となった。阪急、近鉄、南海も複々線(阪急は3複線)になっているが、何れも複数の路線が集まったものだが京阪は単独なのである。その重心位置が寝屋川になるのだろう。

01.駅の東口広場は広くて立派

02.西口はまあまあの広場でんな

1階のコーヒーチェーン店で早めの昼を軽く取っておく。駅前に駅付近の地図が有ったのでカシャ。これから歩く川はこの先大きく複雑に曲がっている。地図には手元の地形図や事前に見ておいた道路地図にも載っていない橋名が書かれ助かる。

03.寝屋川市駅前から歩く川は大きく曲がっている

駅前の川は「せせらぎ公園」として整備されているが、川が小さく河川敷も狭いので公園というのはおこがましく、窮屈な感じで借りてきた猫のような姿である。

04.駅付近の川はせせらぎ公園として整備

05.借りてきた猫のような姿

駅近くには公営、私設の駐輪場が多くある。これも平たんな地形だからだろう。川沿いの両側の道を右に左にと進む。川に分合流するところにはゲートが設置され、本流にも設置されている。この川の管理は下流も上流も大変だな。この川が溢れたら100万人以上の人が被災者になり、真備町どころの騒ぎではない。

06.水門のゲートが並ぶ

07.寝屋川本流にもゲートが

川沿いの道は川がぐるーっと半周するのに合わせて回り込む。曲がりの頂点部に京阪の上寝屋川橋が川を越えている。今度は駅ではなく普通の橋である。暫し待つと中之島線開業時にデビューした3000系のシブーイ電車がやって来てカシャ。外観もさることながら車内が素晴らしい電車どす。新幹線はこの電車の爪の垢でも嘗めなはれ。

08.京阪上寝屋川橋を好きな3000系が通過

南からの流れになると左岸側に寝屋川には珍しい高層住宅が並び、右岸側はまともな河川公園になっている。まともだと感じていたら土木学会関西支部の「市民の土木賞」なる賞が授与されている。市内に少ないからこその受賞だな。

09.寝屋川には珍しい高層住宅と河川公園が

10.河川公園は土木学会関西支部の賞を受賞

直角に曲がり川は東からの流れになる。北側には大阪府立大工業高等専門学校の広い敷地と立派な門が現れる。府立大阪高専が府大に移管されたようだ。

11.府立大工業高専が在るぞ

門を過ぎると国道170号が川を越えている。両側歩道の間になんと8車線もの車線が有るでないか。角には寝屋川警察署が建ち道路と橋を見下ろしている。橋の名前は「安全橋」だって。署の前ではみんな安全運転すると判断したのだろう。

国道を越えて進むとこの川では初めての段差工が現れる。まったく流れの無かった川がやっと流れが分かる所まで来たことになる。

12.寝屋川警察署の前の国道橋の橋名

13.川らしくなってきたね

左岸側には自歩道が付きやっと遡行らしい歩きになってくる。府道18号が上流側から川沿いに現れ、南から支流の「打上川」が合流する。その東側には広い公園が広がっている。自歩道には先日見かけた頭に笠をかぶった昔の女性の石像が立っている。またお会いしましたネ。少し進むとこの女性の名前とその生まれからの物語を書いた大きな石盤が立っている。この辺りでは有名な昔話の主人公で、竹取物語のような話である。頭に被っているのは母親が死ぬときに被せたお鉢で、このお鉢のお陰で姫は幸せになったとサ。

14.どこぞで見た女性の石像に再会

15.この人は「鉢かづき姫」で昔話の解説が

川沿いの自歩道を東に進むと、川に架かる歩道橋の高欄にその姫のお鉢らしき物が挿入されている。話の知らない者には蒸し器の蓋に見えまっせ!

16.こりゃ、なんじゃい!姫の頭上の鉢でんがな

府道沿いに面白い店を見つける。駐車場には客の車がいっぱいなのに店の名前は「コナズ珈琲」と書かれている。来とるやないか!ハワイのコナ珈琲を文字っているのだろうが、ずをつけるからややこしいことになっとるのだ。コナだけなら粉コーヒーになってしまうなー。

17.客の車がいっぱいなのに「来なーず」だって

川の北側の小高い丘は斎場と市営墓地になっているようで、今日は秋のお彼岸で墓参の車が列をなしている。当方は昨日瀬戸大橋を越えて墓参してきた。

府道に合流すると府の広域下水道の蓋が現れる。こちらは府の木のイチョウと花の梅で、このあたりの市とどっこいどっこいの絵柄である。府道18号と府道154号の交差点に「寝屋」なる地名が書かれている。この地名が川と市の名前のルーツかもしれない。

18.広域下水道管理の大阪府の絵柄は府の木と花

19.ここの地名が川と市の名の元だな

川はここで直角に曲がり南東方向からに変わり、川沿いの府道154号を行く。川の名はここから「タチ川」となり、寝屋川は無くなった。寝屋の上は立で寝てはおれんぞ。緩やかな久しぶりの坂道を進むと二度目の第二京阪国道に出会う。橋の上は広い交差点になっており、川はどこへ行ってまったのだと言いたくなるぐらい広い。

歩道をゆっくりと進むと足元に逆T字に線がチョークで引かれ、3分割されそれぞれのエリアに府枚方土木(道路)、大阪ガス、大阪府水道企業団名を略字で示している。これが縄張りである。

20.第二京阪も川を二度越える

21.歩道に有った縄張りの印だ

やがてJR片町線の高架橋が現れ、次の橋で遡行の終了点とする。この先は交野市になる。Uターンして高架橋沿いに東の「星田」駅に向かう。22kmの距離に121もの橋が有ったぞ。次はどうするかなー。

本日の歩行距離:6.5km。調査した橋の数:31。

総歩行距離:10,076.8km。総調査橋数12,436。

使用した1/25,000地形図:「吹田」(京都及大阪8号-3)、「枚方」(京都及大阪8号-1)