愛媛-3.中山川(その1) 平成241031日(水)晴

 

愛媛県三番目の川、中山川に取り掛かる。朝晩はめっきり寒くなりあの真夏の暑さは何所へ行ってしまったのでしょうか。西条駅で単行の各停に乗り継ぎ、二つ目の伊予氷見駅で下車。これ以上簡素な駅は無いぐらいの駅に降りると、駅前に大きな石碑が見える。近寄り碑文を読んでみると、あの西条祭りのだんじりが最初に作られ神社に奉納されたのが直ぐ近くの石岡神社である、との給う。

中山川の河口に向かう道路を北に歩くと、程なくくだんの神社の鳥居と小高い丘の上に社が有った。西条祭りの3つの神社のうちの二つまでも巡ることになったのは何かのご縁があるのだろう。帰宅して調べると、石岡神社の氏子のだんじり、御輿は数は少ないが、祭り発祥の地としてのプライドが高く、祭りへの力の入れようと祭りでの動きは一番とある。各神社、地区で競い合っているのが伝統の継承、向上に繋がっているのだろう。

 

 01.簡素な伊予氷見駅に下車

 02.駅前に西条だんじり祭りの発祥の由来碑が

 03.その最初のだんじりが奉納された石岡神社

川の左岸の土手に突き当たる辺りの地名は「新兵衛」。なんともいわくの有りそうな地名である。道路際に高く石灯籠が聳え、川には船溜まりが有り、かつては石鎚神社、石鎚山に詣でる船が此処に着き停泊していたようで、その名残の常夜灯である。

 04.この常夜灯の下に舟を着け石鎚山を目指す

 

一番河口に近い産業道路の新中山川大橋に着き、ここから遡行を開始する。今朝雨が降ったようで、所々に水溜りがある天候のせいか石鎚連峰の方は薄雲が掛かっている。左岸から右岸に新兵衛大橋を渡り彼方を見ると、丁度薄雲が消えご本尊が一際高く聳えているのが見える。山塊の左側の最高峰などの特徴のあるギザギザの姿も判別できる。この辺りからは石鎚山が丁度真南に最短距離で見え、逆光に眩しく見える高い山は神々しく見える。

 

 05.彼方に薄雲から石鎚山が顔を

 06.左側のギザギザの山が天狗岳、弥山などの石鎚山

右岸の堤防の上の県道13号も歩道が完備し、今日も安全に気持ちよく歩ける。旧西条市から旧小松町に入る。平成の大合併で東予市、小松町、丹原町が西条市に吸収合併され、大西条市となった。東予市までもが吸収されるとはびっくりである。土手下には加茂川などの上流の河原に見かけた青石が、ゴロゴロと積まれ庭石として加工、販売されている。あんな石が庭にほしいがあいにく石が入るほどの広さと先立つ物が無い。

 

 07.西条市から旧小松町に入る

 08.青石がごろごろと積まれている

 

直ぐに予讃線の鉄橋が近づき、県道から広い河川敷に向かうと上りの特急が通過していく。上下の特急が西条駅か一つ手前の石鎚駅で交換するので、15分程度で今度は下りが通過するはずなので、橋を潜り上流側で待っていると軽やかに橋を渡ってくる。頃合いを見は図りカシャ。

 09.中山川橋梁を渡る特急

 

吉田橋を過ぎると川は広い石ころだらけの水の流れの無い姿となる。この中山川は石鎚山塊の西の山の北麓から流れ、東三方ケ森からの支流を合わせて燧灘に流れる28km余りの川である。下流に道前平野を作り、支流が合流する地点では扇状地が有る。反対の西側に流れる重信川は松山付近に道後平野を形づくっている。道後、道前の境界はこの川と重信川の支流との分水嶺付近の桜三里であろう。京に近い方が前で遠い方に後が付く。

 10.水の流れが無い広い河原

 

平野が徐々に狭くなり、西方に霞んでいた高縄半島の屋根である東三方ケ森(H=1,233m)の山塊の稜線がはっきり見えてくる。山の東側から急流で流れてきた関屋川が造った扇状地が平野に押し出している様子が良く分かる。地形図を見ると扇状地は果樹園が広がっている。ここから見ると多くのビニールハウスが見える。

 

 11.高縄半島の屋根東三方ケ森(H=1,233m)の山塊

 12.支流の関屋川の扇状地が見える

 

3km余りも橋の無い一直線に延びる土手の上の県道を歩き、久しぶりの橋、金毘羅橋を渡り右岸側の国道11号に向かうと、再び川の水が現れホットする。

 13.山峡の入口で再び水の有る川に

 

四国一番の国道、国道11号を始めて歩き、直ぐに中川橋で再び左岸側に移る。旧丹原町の扇状地の端部の傾斜地の県道の古い町並みの中を歩く。橋を3つ調べ再び右岸側の国道に戻り、湯谷口のバス停にバス到着時刻の5分前に着く。国道11号の松山から新居浜間には1時間に1本急行バスが走り、このバス停に止る。国道上のバス停間隔は長く、次のバス停までは5kmも飛んでいる。今日はここまでとし、やってきたせとうちバスに乗り込み西条駅に向かう。

今日の歩行距離:17.6km。調査した橋の数:16。

総歩行距離:5,225.8km。総調査橋数:8,583。

使用した1/25,000地形図:「西条」(高知13号-2)、「伊予小松」(高知13号-4)