大阪-1. 淀 川(その3) 平成26年1月25日(土)晴のち曇り
中二日で登板。再び淀川に向かう。朝4時半に起き6時03分発こだまで新大阪に向かう。千里丘から阪急バスで前回の折返し点近くの柱本バス停で下車。久しぶりにハニカカードで運賃を支払う。バス停から東の堤防に向かうと万里の長城のように堤防が立ちふさがっている。建物の3階の屋根の高さの土手に登ると道はなんと砂利道である。日本有数の大河の土手の上の道が砂利とは。今まで多くの一級河川の土手を歩いてきたが、淀川は最低の状況である。
京阪ゴルフ場が尽きると葦原が始まる。歩きにくい土手の上から高水敷に降りると、河川敷の自然再生事業の説明板が有る。小高くなった河川敷を水面近くまで掘り下げ、葦などの植物が繁茂しやすいようにするとのことである。自然に小高くなった河川敷をわざわざ掘り下げるのが自然再生と言うのだろうか?声高に叫ぶ勢力に押されて、錦の御旗のように耳に心地よい事業をやるようだ。3m以上の背高さの葦の間の道を進む。
芥川遡行時にスタートした地点にやって来た。合流点近くの橋を渡ると3番目のゴルフ場の高槻ゴルフ倶楽部に突き当たる。コースの境目には夾竹桃が植わっている。今日も無風でゴルフ日和である。
土手下の道を進むと4kmぶりの橋となる。アーチが連なる府営水道の水道橋の直ぐ隣に枚方大橋が架かっている。ここから上流11kmまで橋は無い。全ての鉄道、道路が淀川と並行に有るため、摂津と河内を結ぶ橋は無い。11kmも橋の無い区間は、人口密度の高い平野部ではまことに珍しい。
橋の近くの岸辺では災害時の緊急輸送船の船着き場を作る準備工事が行われている。この先でも堤防の補強、拡幅工事などが行われ、淀川はあちらこちらで工事実施中で落ち着いて歩けず、遡行環境は最低である。
対岸は春霞のようなものがかかり、ぼんやりとした景色である。淀川河川事務所のアンテナが目立つ。大きな関西医科大学病院の左側に天野川の合流点が見える。あの川の歩きは何時になるのだろうか。北東からの流れが少しずつ北に変わり北北東からの流れとなっていく。大分前から見えていた高槻市の清掃工場の煙突が徐々に高くなってくる。手前には古い工場もある。川沿いは清掃工場の好立地場所のようである。
再び工事区間となり、堤防の拡幅、補強工事が行われている。ここまでの堤防よりも緩勾配で底の広い堤防を作っている。ここだけ前後と異なる形状の堤防を作る意味が読み取れない。これが終わると今度は葦の為の高水敷き切り下げ工事となる。工事をやるために事務所が有ると言うよりも事務所があるため工事をしているように思えて仕方がない。
堤防の上の石碑らしき物が見えるので土手を登る。「鵜殿葦の原」と彫られた石碑と傍らにはこの葦原の解説板が建っている。葦をアシとは読まずヨシと読み改められたとある。悪しから良しに変更したのである。葭簀はアシズと読まずヨシズと読む意味が分かった。
そのまま堤防の上の道を進む。広い葦原の向こうの対岸はくずはゴルフ場である。やがて高槻市から島本町に入る。かつては大阪からは鬼門にあたり、田畑の広がる地域であったが今やサントリーのウイスキー工場などの各種工場とマンションなどが立ち並び、JRの新駅も出来た人口3万人弱の町である。水無瀬宮や桜井の別れでも有名である。
葦原が尽きると今度は境界もコースの境界にも木が無いダダ広いゴルフ場が広がる。これでもゴルフ場かいな?土手際には15階建ての巨大マンションが聳えている。東面と南面は淀川で展望は抜群で、天下の山崎で天下を取った気分になれそうだ。
ゴルフ場が尽きる辺りに絵地図が建っている。ここで先ず桂川が淀川右岸に合流し、続いて木津川が左岸に合流する、そして200mほど先が大阪府と京都府の府境である。淀川は府境からは宇治川と名前が変わる。流れて来る方の地名が川名となる。
直ぐにか細い水無瀬川が桂川に合流する地点となる。合流点には水無瀬神宮の石碑も有る。北の方向には大きな桂川の標識も立ち、国道171号、新幹線、阪急京都線が一度に集まってくる。全員集合!3線が一直線に横並びである。乗り物好きにはたまらない場所である。この密集地は500mほど続き、大山崎の地峡を過ぎるとお互いが少しずつ離れて京都に向かう。JR東海道線は我関せずと少し距離を置いて地峡を通過している。
09.ここは国道171号、新幹線、阪急、東海道線、名神高速が集まる
府境の国道の三叉路で川沿いの国道を離れ山崎駅に向かう。これで新たな国、山城国に入る。駅は京都府大山崎町と大阪府島本町に跨る境界駅である。山崎の方が島本よりもメジャーなのだ。背後の天下分け目の天王山が大山崎に有るのも駅名に効いたようだ。
狭い旧西国街道を歩くと、ここは中世以来荏胡麻油で繁栄したとの案内板がある。大坂と京の両方が近い強みである。
やがて窮屈な地形の中にこれだけの広場が確保できたと思われる山崎駅が現れる。駅前にはお馴染みの日本国旗の色の組み合わせの京阪バスが停車している。淀川右岸でも茨木から高槻、山崎と京阪バスが幅を利かせている。駅前の東側の小高いお寺の前には大山崎町の案内地図もある。最近は名神高速と繋がる京滋バイパスと京都縦貫道も完成し、町内にインターとジャンクションが完成した。広くは無い大山崎町は道路、鉄道、工場のオンパレードである。三つの川が合流することから出来た広い河原が今役にたった。
今日は15km歩いて釣果はたったの2橋。こういう日も有るのだ。2時からの橋の科学館の講演会に向かうべく快速に乗り込み、車内で新大阪駅で買っておいたお握り弁当を食す。なんと神戸の淡路屋の駅弁である。水了軒は何処へ行ってしまったのだ。
本日の歩行距離:15.0km。調査した橋の数:2。
総歩行距離:6,801.9km。総調査橋数:10,463。
使用した1/25,000地形図:「吹田」(京都及大阪8号-3)、「枚方」(京都及大阪