大阪01-2.安威川(その2) 平成25年5月2日(木)晴時々曇り

朝10時半、阪急梅田駅で竹馬の友と待ち合わせ特急電車に乗車。茨木市駅で降り安威川遡行の二日目を開始する。今日の到達予定地点の大阪、京都の府境の府道にはバス路線が無いので地元のタクシー会社に夕方の府境への迎えを電話で予約すると、「遠く辺鄙な所なので車のお迎えは出来ません・・・」との返事。タクシー会社の電話番号「・・-1919」を見て電話をしたのに・・。止む無く予定を変更し先に駅前からタクシーに乗り府境に向かい川を下ることにする。
安威川の渓谷部に入ると採石場を往復するダンプと新名神高速の工事用ダンプが行き交い、通る車の7割程度がダンプである。これではタクシー会社もしり込みするはずで、ダンプ街道以外は行く行くと注釈が必要である。府境付近には多くの採石場が有り、京都府亀岡市に入った所で車を降りる。

 01.ここから開始

 02.府境は採石場の団地

道路は石粉で白くなり、路肩にはこぼれた小さな砕石がこんもりと土手上に盛り上がっている。歩道の無い府道47号をダンプが通る度に立ち止まり通過するのをやり過ごすことを繰り返し、スローペースで道路を歩く。川も石粉の影響で少し白く濁っている。ここは大阪北部のコンクリと舗装用の石材の大産地のようで、ダンプがひっきりなしに通過する。運転は慎重ですれ違い時には速度を落としてゆっくりと通って行く。砕石組合の指導よろしく私道のようには走らないのは立派!
やがて新名神高速の渓谷の西側の工事現場に通じる大規模な進入路が現れる。仮設の橋が山の上まで続き、要所には高い桟橋が設けられている。兵庫県の川西市、猪名川町や宝塚の奥の現場と比べればここは幾分工程が遅いようだ。ざっと見た所ここが新名神の完成時期のキーポイントに成りそうである。

 03.新名神の工事進入路は大規模

 04.山の上まで仮橋と桟橋が続く

 05.新名神の道路中心を示す標識

昼になり川に下る小道を友が見つけ河原に降り昼を摂る。今日は5月にしては気温が低く歩いている時は適温であるが、止ると少し寒いぐらいである。歩きを再開して直ぐに左岸側の沢に阿武山へ登る道の案内碑が建っている。この道は東海自然歩道に組み込まれているようであるが、このダンプ街道では歩く人は少ないだろう。阿武山は大阪平野に突き出た標高280mの低い山ではあるが見晴らしはいいことが地図を見れば分かる。

 06.阿武山への道は東海自然歩道

直ぐにダム建設に伴う付替えられた府道が合流する地点に着く。新道の橋の状況を見て旧道との交差部に戻り、今度は旧道の道を進む。旧道の頭上高く通過する新道の橋は自分の好きなコンクリートアーチ橋である。コンクリートは綺麗に施工され、肌もシミそばかすも無く肌がつやつやである。ベリーグッドよ。

 07.新道の橋はコンクリートアーチ

砕石運搬のダンプは新道を走り、新名神のダンプはこの旧道に入ってくる。なんでやろうと思ってやり過ごす。
車作地区で旧道から新道に向かう道を登り新道に合流する。小高い丘の上には瀟洒な立派な家と区画整理された田畑が広がる。これは多分ダム建設に伴う立ち退きの代替地だろうと話をしながら歩く。やがて見晴らしの良い地点に現況とダム完成後の比較写真と地図が掲示されている。ダム本体は未着手で、左岸の対岸では代替道路の工事の真っ最中である。ダムは更に1.5kmほど下流の渓谷の入口の鼠蹊部に建設されるようだ。

 08.阿武川ダム完成前後の比較図

支流に架かる橋から下を見れば旧道に入って来ていたダンプが支流の奥の方に登って行く。なるほどこの先に土捨て場が有るからと納得する。見事なメガネ型のトンネルの広い歩道を通り、ゴルフ場の端をかすめ天門寺地区で再び旧道に降りる。ダムサイトを過ぎたのでこれからも残る橋を見るため旧道に戻る。

 09.見事なメガネ型トンネル

平地に降りて来て最初の旧道の橋は桑ノ原橋。右岸側の橋の袂には4個の石の親柱が並べられ、解説板もある。真ん中の低い二つの石が明治41年完成時の親柱で、両端の2個は昭和12年の物で、よくぞ残しておいてくれた物である。

 10.明治41年完成時の親柱を保存

車に邪魔されない土手と河川敷内の遊歩道を南に歩く。先日と同じ景色が広がる。名神高速、国道171号を潜ると、右岸側に箕面からの勝尾寺川と茨木市の北西からの佐保川が一緒になった茨木川が阿武川に合流する。東海道線の新しい鉄橋の手前のけったいな姿をした橋を通り対岸に渡る。アーチを二つ上下に組み合わせた珍妙な形式の橋である。

 11.珍妙な形式の橋が現れる

やがて先日の折返し点に到達し阪急京都線沿いの道を駅に向かう。駅西口の広場には阪急、京阪、近鉄の三大私鉄のバス乗り場が目につく。今宵は小学校の同級生が数名集まってくれるとのことで梅田に向かう。

 12.茨木市駅西口に3社のバス乗り場が

本日の歩行距離:14.5km。調査した橋の数:21。
総歩行距離:5,888.1km。総調査橋数:9,471。
使用した1/25,000地形図:「高槻」(京都及大阪7号-4)、「吹田」(京都及大阪8号-3)