兵庫6-6. 篠山川(その1) 平成24年8月9日(木)快晴
10時37分加古川線の終点谷川の一つ手前の久下村(くげむら)駅に降り立つ。何度も乗って来た加古川線も今日が最後になるだろう。西脇市駅からの単行の電車はいつもの閑散とした車内では無く、18切符を利用した多くの乗客で溢れていた。駅前には宿場の入口に見かける木製の屋根つきの標識がポツンに建っている。
加古川の多くの支流の最後のかつ最長の川「篠山川」に取り掛かる。駅裏から本流との合流点近くの最初の橋「山崎橋」に向かう。橋は足場とシートに覆われ、補修、補強工事が行われている。補修が桁なのか床版なのかは判別できない。
出かける前に事前に篠山川のことを調べたが、合流点から源流部までの距離が本流よりも5km余り長く、本来はこちらの方が本流であってもおかしくない。流域面積の差で金メダルを逃したようだ。
今日も日差しは強いが、湿度が低く風もあり、暑さのピークは過ぎたようだ。左岸側の土手と道をジグザグで進み、谷川大橋を渡り直ぐ近くの谷川駅に寄り道をする。駅横に山南町(現:丹波市山南町)観光協会の建物が有ったので入るとなんと貸自転車があるでないでがダ!えーっとぶりの自転車を借り上流に向かう。漕ぎ出して直ぐには気付かなかったが、登り坂道にくるとペダルが重いのに気づき良く見ると後のタイヤは空気不足である。戻るのもやっかいなのでそのまま無理をして漕いで行く。
左岸側のハイキングコースの狭い道を進むとやがて舗装道路が砂利道となり、漕ぐのが一層大変になる。福知山線の次の駅である下滝駅近くに古い吊橋が架かっている。最大5名までの利用と注意書きがある。
本来はこの先の川代渓谷を抜けて丹波大山駅まで行き折り返してくるつもりであったが、空気不足のタイヤでは持たないので、次の橋で対岸の県道に渡り谷川駅に戻ることにする。県道は概ね下り坂で風も心地よく快調に走る。この辺りでは恐竜の化石が出た所のようで、看板が建っている。
観光協会に戻り、電車の来る時刻まで30分ほど有るので遅い昼食を冷房の効いた館内で摂る。1時間に1本の2両連結の電車に乗り、篠山口で8両編成の堂々たる大阪行き快速に乗り変える。どちらも新快速などで使用されている新しい電車で、丹波の山奥の方がお古ばかりの山陽道よりも優遇されているのには腹立たしい。
この辺りの田圃の稲は既に穂が垂れ下がりだし、薄い黄金色になっている。
ロンドンオリンピックの日本の金メダルは全て女子が取って、男子はゼロ。男は世界の頂点に立てなくなってしまったようで、スポーツだけの世界にしてほしい。
ガラガラの電車から尼崎で新快速に乗り変えると満員の盛況。これからしばらくは尼崎周りの長い電車の旅が始まる。
本日の歩行(自転車走行)距離:17.5km。調査した橋の数:11。
累計歩行距離:1,908.8km。累計調査橋数:2,447。
使用した1/25,000地形図:「谷川」(京都及大阪14号-4)、「柏原」(京都及大阪14号-3)
お盆期間の天候不順と電車の込み具合を考慮し遡行を控えていたが、1週間ぶりのご無沙汰で出かける。いつもの初電に乗り、相生、尼崎、西宮名塩で乗り換え4時間半かけて10時27分に篠山口駅に降りたつ。途中乗り変えた西宮名塩駅は二つのトンネルに挟まれ、駅のホームの一部がトンネルに掛かっている。かつては武庫川の流れに忠実に線路があったが、福知山線の大改造で宝塚~三田間は別線新設の複線電化が行われ、多くのトンネルで距離と時間が短縮された。
篠山口には貸自転車が有るのをインターネットで知り、駅横に向かう。この手の貸自転車には珍しい電動アシスト自転車が有るので、初めてであるがこれを借りる。1日800円と少し高いが、この暑さと坂道を考えればこれの方がベター。駅前にマンホールを見つけカシャ。かつてここは丹南町で駅名は篠山口。早く廃線になってしまったが篠山口から篠山、福住と篠山線が有った。京都府の園部まで線路を考えていたが、福住止まりの盲腸線で、肝心の篠山駅が町の中心から南に大きく離れていたので利用者が少なく昭和47年に廃止となった。マンホールの図柄は大きな桜の花びらの中にまた小さな花が描かれ、東京の桜よりも複雑な絵柄で秀作である。
自転車に乗り、前回に中途半端に終わった川代渓谷の折返し点に今度は上流側から向かう。上り坂に来るとスイッチを入れ楽に坂道が上がれ、これは止められない止まらない。
折返し点近くの福知山線の橋を調べていると下りの特急「コウノトリ」が新車で通過していく。カメラを向ける余裕が無かったので、上りの特急の時刻を調べると、特急同士が谷川駅で交換するので、まもなくやってくるので暫し待つ。やがてやって来たのは旧型車でがっかりであるが、カシャ。
来た県道77号を引き返し、篠山方向に向かう。川代渓谷は名前は渓谷と称しているが、川は濁り渓谷の風情は無い。大昔の篠山川は篠山盆地から南に方向を変え武庫川に流れていたが、盆地に土砂が堆積し水位が上り、西側のこの渓谷に流れが変わったとある。渓谷の東の入口には恐竜の化石が出たことから恐竜街道と称した大きな立て看板が建っている。
川沿いの道に下り農水省管理のダム(実際は堰)を過ぎると、久しぶりに見るコンクリート斜張橋が水面にその影を映している。
対岸(左岸)に渡り、次の国道176号の丹南橋を調べるため一旦国道に上がり、道路状況を見た後橋の下に向かうべく市道を下り川沿いの道にUターンしようと曲がるとそこは砂利が敷かれた所で、自転車は急停止し右側に倒れこむ。右肘と掌が砂利で切り裂かれ負傷する。直ぐに携帯で救急車を要請する。血が滴る待ち時間が長く感じられ、やがて救急車がやって来る。車内で応急処置と事情説明をしていると今度は県警のパトカーがやって来て事情を聞かれる。貸自転車は救急車から電話で引き取りをお願いしてもらう。かつて瀬戸大橋の開通前に行った警察協議と消防協議を想い出す。
篠山の街中の兵庫医科大学病院に搬送され処置をしてもらうが、今日はデカンショ祭りで病院は閑散としている。4年間も歩いているとこういうことも起こると観念し、街中のバス停から篠山口駅に向かい帰路につく。
今日の歩行(自転車走行)距離:11.2km。調査した橋の数:5。
累計歩行距離:1,920.0km。累計調査橋数:2,452。
使用した1/25,000地形図:「篠山」(京都及大阪14号-2)