兵庫-2.揖保川(その4) 平成23年12月24日(土)晴れ後曇り 

クリスマスイブの今日の朝一番の姫路行きは、青春18切符利用者と思しき人で座席はほぼ埋まっている。昨日に続き今日も無風快晴の上々の天気で、空が抜けるように澄み渡っている。寒いが遡行にはもってこいの天候で遠くがくっきりと見える。
網干駅から山崎行きのバスに乗り太子町内を走っていると、「次はトウナンニシグチ」と案内放送があり、料金表の次のバス停の名前を見ると「東南西口」とある。役満の四喜和(スーシーフー)の一歩手前の珍しい地名に思わずカシャ。地図で調べると東南と言う字の西の端なので西口を付けたバス停名である。

image1 01.役満寸前のバス停名

山崎でバスを乗り継ぎ、前回の折り返し点の三津で下車。右岸側の国道29号を歩くと、傍らに「鮎友釣り発祥の地」の記念碑が建っている。鮎と言えば長良川や四万十川などが有名で、揖保川が鮎の本場とは知らなかった。鮎を焼き、揖保の名産の素麺の温麺に入れれば最高にうまいだろう。

image2 02.鮎友釣り発祥の地記念碑

谷間が狭まり旧:山崎町から一宮町に入ると、上流に良く似た山が二つ冬空の下くっきりと見事な姿で迎えてくれる。足元にはマンホールもあったのでカシャ。杉と菊とモミジと田植え踊りと4分割された図柄である。全国には多くの一宮と書く市町村が有り、市では愛知県(尾張一宮)、町では千葉県、山梨県、愛知県(三河一宮)、そして兵庫県にはここ播磨一宮と淡路の一宮と二つの一宮町があった。JRでは駅名を区別するため、尾張一宮、三河一宮(飯田線)、上総一宮(外房線)と旧国名を頭に付けている。

image3 03.一宮町に入ると双子の山が迎えてくれる

image4 04.旧:一宮町マンホール

やがて国道の左側に広い鬱蒼と木々が茂った社叢が近づき、これが一宮町の名前の基になった神社の森であることが分かる。参道の真ん前には道の駅もあり、ここで昼食を摂ることにするが、二回連続で道の駅での昼食となる。神社の名は「伊和神社」で、道の駅の案内看板にはっきりと播磨一宮と書かれている。昼食後、道の駅名物の野菜売り場を覗くと、鳥取県の野菜、大根、カブ、白菜等が山と積まれている。積雪前に隣県に持ち込んだようである。大きな赤カブが10本以上くくられたものが800円と大阪地検特捜部もビックリの値段である。リュックに入れられる限界の2本(200円)だけを買い詰め込む。これでこの冬の漬物は決まり。

image5 05.伊和神社の社叢と道の駅案内標識

image6 06.赤カブ検事もビックリの値段

一宮町の中心部に来ると大きく立派な派出所が国道脇にある。警部常駐の派出所とあり、警察署の支所の扱いのようで派出所のイメージとは程遠い。
やがて揖保川本流と長さでは本流よりも長い引原川との合流部に来る。国道は支流にそって戸倉峠から鳥取を目指し、本流は県道6号となる。右側の県道に入ると兵庫県初の発電所の導水管と排水口が見える。冬の渇水期ではあるが、電力不足を補うため発電を続けているようだ。

image7 07.これが派出所?

image8 08.発電所の導水管と排水口

道も勾配を感じるようになり、上流に入ったことを実感する。谷が更に狭まった所にひっそりと川の管理境界標識がある。河口から47kmと国管理区間が長い。この狭い谷間の川には庭石にしたくなるような見事な青灰色の岩が展開している。谷間が広くなった上流では共鮎ありますとの看板があり、この岩の川での鮎釣りは一幅の絵になりそうだ。

image9 09.河口から47kmで管理境界があった

image10 10.見事な青灰色の岩が広がる

帰りのバスの時刻がきたので梶原バス停に向かい、14時48分ジャストで到着した山崎行きバスに乗り、姫路行きに乗り換え帰路につく、バス代だけで3,000円と日帰りの限界交通費となってきた。

今日の歩行距離:18.3km。調査した橋の数:11。
累計歩行距離:928.2km。累計調査橋数:1,336。
使用した1/25,000地形図:「山崎」(姫路6号-4)、「安積」(姫路6号-3)

兵庫-2.揖保川(その5) 平成23年12月27日(火)晴れ時々曇り 

朝7時46分に姫路駅に着き、構内のお握りやでおにぎりを買い表に出る。姫路駅は連続立体化が終わり、北側の旧駅舎とホームの撤去工事が真っ盛り。姫路駅は姫新線、播但線が分かれ、新快速電車などの始発駅で多くの引き上げ線がある複雑な駅で、西側には山陽電鉄が立体交差しているため駅と前後の線路の高架化工事は複雑な工程を要した。特急「はまかぜ」が山陽本線から播但線に乗り入れているため工事中のこれの渡り線の確保と山電の立体解消工事が興味のある所で、かつて新幹線通勤時に車窓から工事の変化と進捗状況を見て来た。多くの線が集まり複雑な構内を有する熊本駅、大分駅も現在立体化工事中であるが、より複雑な京都、岡山、広島などの駅は立体化は現実には無理であろう。
狭くなった駅前の神姫バス北3番乗り場に向かう。多くの神姫バス一色のバス停は駅前の通りの左側に並んでいる。ラッシュアワーでこれだけの大きなバス乗り場に1社だけのバスが並ぶのは壮観である。見渡す限りオレンジ色の神姫バスだけが発着している。8時20分発の満員の山崎行きに乗るが旧市内で大半の客は下車し、後半は数人となる。9時20分に山崎に着き、10時05分発の横山行きに乗り換える。揖保川に沿って北上すると道の両側には積もった雪が見えだし、雪の厚さが大きくなってゆく。先日の折り返し点近くの伐採された山の斜面も雪で真っ白である。

image11 01.3日前の伐採跡

image12 02.伐採跡が雪で真っ白(バスから)

ある程度予想はしていたが、一昨日からの雪がこの程度の標高(250m)でも30cm以上の積雪では、今日の予定地横山(標高350m)では50cm以上となっているようだ。車道歩きは危険だし、橋の調査もうず高く積もった雪で出来ないので遡行調査は諦め、丁度乗車したバスが日帰り温泉に立ち寄るので温泉に入るとした。
10時30分、「まほろばの湯」で下車し、建物に向かうと今日は火曜日で定休!止む無く雪道を歩き前回の折り返し点に川を下ることにする。4時間半かけてやって来て撤退するのは辛い。道路脇の温度計は1度を示している。揖保川に架かる国道429号の橋の上から川を見れば、真冬の景色が広がる。

image13 03.まほろばの湯は定休日で幻の湯となる

image14 04.道路脇の気温は1度

image15 05.雪の積もった揖保川上流

前回の折り返し点のバス停まで5kmほどの雪道を歩き、山崎行きのバスに乗る。往路のバスの折り返しの同じ運転手さんに横山の状況を聞くと、雪は膝上まであるとのことで撤退が正解と納得する。山崎の待合室で遅い昼を取り、姫路行きに乗る。姫路~山崎間のバスは3経路もあり、帰りのバスで3つの経路の全てを乗ることになった。
夢前川の支流の菅生川沿いの県道を下ってくると、右側の丘の上にノイシュバンシュタイン城が現れる。かつて海外の橋梁の調査に立ち寄ったバイエルンの城が聳えているのに驚き、交差点で停車している間にカシャ。近くに白鳥台という団地があるのでこれにちなんで建てられた太陽公園内の観光施設のようだ。

image16 06.こんな所にノイシュバンシュタイン城がある

姫路駅前の山陽デパートに久しぶりに立ち寄り、姫路名物のあなごを買い長い帰路の電車に乗る。
今日の歩行距離:5.3km。調査した橋の数:6。
累計歩行距離:933.5km。累計調査橋数:1,342。
使用した1/25,000地形図:「安積」(姫路6号-3)、「音水湖」(姫路5号-4)、「神子畑」(姫路5号-2)