広島-10.成羽川(その5)平成25年7月26日(金)晴れ
今日も4日前とまったく同じ列車に乗り継ぎ東城に向かう。新見から東城に向かう単行ワンマンカーは貸切状態で出発する。先日は他に2名の乗客がいたが今日はゼロ。
image1  01.今日は貸切で出発
東城駅から先の列車は昼過ぎまで無いので備北交通バスの日野原線のバスを待つ。三次から庄原、西城、東城地区のバスは備北交通が受け持っている。岡山県の備中北部の新見、高梁地区のバスは備北バスで、両者の名前が類似しておりややこしい。1日4便の日野原線と同じく4便の小奴可線は減便された芸備線を補完する役割を持っている。30分余りして八幡、田黒、小奴可経由の日野原行きミニバスがやって来て直ぐに発車。もう一人の乗客が途中で下車し、後は再び貸切。
芸備線は成羽川に沿って渓谷を登っていくが、バスは途中の狭い渓谷を避けたルートを通るので、川沿いの最後の停留所である土居田橋バス停で降りる。全国鉄道踏破でも東城~庄原間は難物であったが遡行でも困難区間である。
狭い県道450号を上流に向かい1kmほどの地点に来ると谷間が狭まり、県道と芸備線に山が迫ってくる。線路際には真新しい速度制限標識が立っている。常時30km、雨天時15kmの制限である。がけ崩れの恐れの多い法面にはこの標識が行く手を遮ってくれる。直ぐの県道の曽防橋でUターンする。この先しばらくは橋が無くバスも通らない区間なのでここから東城まで川を下ることにする。
image2 02.真新しい速度制限標識

image3 03.ここでUターンし川を下る

県道を下ってくると民家の入口には先日の四万十川で見かけたアガパンサスの淡い上品な色の花が咲いている。夏には涼しげな花である。
image4  04.民家の入口にアガパンサスの花が
県道を離れ川沿いの道を進むとムクゲの花街道となる。八重のムクゲ、色違いのムクゲと色々な種類の花が咲き誇っている。韓国の国花で鉄道の急行列車名は「ムグンファ(ムクゲ)」である。備後八幡駅の裏側を通り過ぎるが裏から見る駅も捨てた物ではない。

image5 05.色々な種類のムクゲが咲き誇る

image6 06.備後八幡駅を裏から見る
右岸から左岸側に渡り民家の連なる道を進むと、谷の遥か上を国道314号のスレンダーな橋が通過し、下流には市道のコンクリート橋と芸備線の鉄橋が見える。新旧3橋の揃い踏みである。市道橋の袂の民家の軒先には濃いピンク色の妖艶な百日紅の花が咲いている。夏の花3種の競演が見られた。芸備線の鉄橋下から今度は上流に向かって3橋を見る。

image7 07.新旧3橋が望める

image8 08.百日紅の花も満開
image9  09.芸備線、市道、国道と並ぶ
線路と平行している庄原市道を南に向かうと受原地区で大きな屋敷の屋根が立ち並ぶ先の庭にも百日紅が紅一点咲いている。
 image10 10.端然と並ぶ屋根に百日紅も映える
再び渓谷が狭まり始めると芸備線には今度は25kmの制限標識が立っている。市道では法面工事に取り掛かっているようであるが今日は作業はしていない。
更に進むと行く手に進入防止の柵と進入禁止の看板が見える。出すのならもっと手前の国道に通じる地点に地図付きの予告をしておくべきなのに。過去の遡行で高梁川とその支流の西川で辛い思いがあるのでここで引き返すことにする。国道に通じる地点には2km以上戻ることになるので思案しつつ戻ると直ぐ横の線路に目が行く。この区間は超過疎ダイヤで13時半まで列車はやっては来ない。非常事態なので直ぐ横の線路に入り、下流に向かう。

image11 11.道がこの先通行不能に

image12 12.看板はもっと手前に出すべきだ

初めて線路を歩くが、状態の悪さに驚く。草は刈られたのか生えてはいないが、砕石の多くが細粒化し土交じりの路盤である。枕木の本数は少なく、間隔も不規則で歩き辛い状態である。1kmほど歩き踏切の有る地点で道路に戻る。谷間が広がり北からの粟田川が合流する地点で橋を渡りバスの通った道を東城駅に向かう。
image13  13.粟田川が合流
帰りは先日乗った列車まで相当時間が有るので、12時30分発の福山行き中国バスで帰ることにした。未だ時間が有るので先日立ち寄った道の駅に向かうことにする。丁度東城町巡回バスがやってくるのでそのバスに乗る。こちらは1回100円なので数多くの過去の少女達がご乗車している。見慣れた町中をぐるりと廻り、道の駅で降り蕎麦の昼食を摂る。直ぐ近くの中国バスの東城バス停に向かい駅からやって来たバスに乗り込む。延々2時間半のバスの旅である。
途中の呉ケ峠の交差点で面白い案内標識を見つけカシャ。右東城、左西城と書かれここが東西の分かれ道である。途中2回の休憩停車をして15時10分福山に到着。高原から降りて来るとさすが福山は大都市じゃ。
image14  14.右東城、左西城と東西の分かれ道
 本日の歩行距離:10.5km。調査した橋の数:17。
総歩行距離:6,198.5km。総調査橋数:9,859。
使用した1/25,000地形図:「小奴可」(高梁15号-1)、「帝釈峡」(高梁15号-2)、「東城」(高梁11号-4)