広島-2.沼田川(その1) 平成23年8月12日(金)晴れ一時曇り
再び三原駅に降り立つ。広島県管理の最大の川、沼田(ぬた)川の歩きを始める。この川は加茂郡福富町の西端から発し、加茂台地を概ね南東方向に流れ三原で瀬戸内海に注ぐ延長47.8kmの中規模の川である。
直ぐに最下流の橋を通る芸陽バスがやってきたので乗り込む。かつて何度も訪れたことのある広島県三原土木建築事務所の前を通り、沼田大橋の袂のバス停で下車し遡行開始。水面は満潮のためか川幅一杯に広がっている。河口の彼方には因島大橋がぼんやりと見えている。こんな天候の時は気温が高くなるので要注意である。
呉線の長い橋を過ぎるとバックに瀬戸内海の展望台「筆景山(H=311m)」がバランスよく収まるのでカシャ。瀬戸内海の本州側の展望台は、塩飽諸島の鷲羽山、芸予諸島の筆景山、安芸灘諸島の野呂山が有名で何れも甲乙つけがたい。
image002  01.呉線沼田川橋梁(バックは筆景山)
左岸の堤防の上の遊歩道を気分よく歩くとシャーシャーと蝉が賑やかに鳴いている。最近はクマゼミの鳴き声が際立ちアブラゼミやツクツクボウシはどこに行ってしまったのでしょうか。
五つ目の「定屋大橋」の親柱には「やっさ踊り」の群像がある。やはり「やっさ」は三原の目玉のようだ。南北から山がせり出し、平地がくびれて狭くなった所の北の丘の上には最近できた広島県立大学が日本離れした姿を見せている。かつてはこのくびれた狭い所に川、二号線、山陽本線が並んでいたが、山陽本線は三原駅付近連続立体交差に伴い北側の山をトンネルでショートカットして、今は無い。国道もバイパスが北麓をトンネルで大きく迂回して新たに開通している。
image003  02.やっさ踊りの親柱(定屋大橋)
image005 03.丘の上の広島県立大学
暫くは右岸側の堤防の内側の自歩道を歩き、七宝橋からは国道2号線を歩く。この辺りではバイパスと旧道が一緒になり、昔のままの姿である。国道の直ぐ傍を山陽本線が走り、丁度下り電車がやってきたのでカシャ。
image007  04.国道2号脇を山陽本線下り電車が
やがて前方から歩道が無くなっている。天下の2号線に歩道が無い!沼田川に合流する支流「仏通寺川」と山陽本線に挟まれ、拡幅の余地が無いから歩道の設置が見送られているようで、交通量の多い2号線に歩道(自転車も)が無いのは問題だ。当初の道路計画時のルート選定がまずいため、道路改良がままならない結果になっている。やがて2号線は仏通寺川を古い大規模なコンクリートゲルバー桁で渡り、歩道も設置されている。

image009  05.天下の国道2号に歩道が無い

image011 06.2号線にも大規模なゲルバー桁が
本郷に近づくと右の方に面白い形の岩山群が現れる。山陽路にはこのような花崗岩の岩山が多く見られる。
 image013 07.山陽路によく見かける花崗岩の山
旧本郷町に入り、左岸の県道を歩いていると、歩道の真上に水準点の表示がある。地形図で調べると標高12.7mとなっている。水準点は歩道の下にあり、その上に蓋がしてあるようだが、歩道に水準点があるのは初めてである。県道改良で道端にあった水準点も改良範囲に入ってしまったために生じたものと推測される。
 image015 08.県道の歩道に水準点が
12番目の県道の「本郷橋」で今日の打ち止めとし、街中を駅に向かう。旧本郷町のマンホールが有ったので写真に収める。見違えるように立派な橋上駅となった本郷駅から帰路に着く。12kmも歩いて駅は一つ。さすが本線は駅間距離が長い。
 image017 09.旧:本郷町マンホール
三原駅前では今夜から始まるやっさの準備でてんやわんやの状況であった。
 今日の歩行距離:12.4km。調査した橋の数:12。
累計歩行距離:279.3km。累計調査橋数:356。
使用した1/25,000地形図:「三原」(岡山及丸亀14号-4)、「竹原」(広島2号-2)