高知-8.国分川(その2)平成29年1月28日(土)快晴

肺炎らしき症状が現れ病院での検査、投薬などが終わり、症状も落ち着いたので遡行に足が自然と動き出す。先日と同じ南風1号に乗り「後免駅」で下車。向かいのホームには「土佐くろしお鉄道」のキャラクター人形の車掌が出迎えてくれる。この先高知県東部に行くにはここがベースとなる。10分ほど待ち土佐山田からの高知行きに乗り先日の折返し点の布師田駅に向かう。駅ホームから国分川の土手に降り後ろを振り返りカシャ。今日も絶好の天候で春を感じさせる霞がうっすらとかかっている。

image1  01.後免駅は土佐くろしお鉄道の始発駅

image2 02.布師田駅へは土手から進む

右岸(西)側の土手路を北東に向かうと直ぐに国道195号BPの新しい橋が架かっている。手元の平成19年更新の地形図には記載されていない橋である。4車線と歩道完備の橋は完成して1年あまりの新入生である。デカイ図体は無塗装の錆色に包まれている。土手下の道から橋の端部を見上げると安定錆の発生状態がよろしくない。あばた状になっている。大事な端部の沓周辺部は対策としての黒色の補修塗装が施されている。こんなに大規模な国道橋がこれでは・・。桁の施工業者が悪いのかそれとも耐候性材を製造したメーカーのせいなのか、いずれにしても今が流行りの無塗装橋は製作過程での検査が重要である。

image3 03.出来の悪い安定錆と補修塗装が

次の市道橋で対岸に渡り南側の土手路を進む。次の「葛木橋」の親柱は片方が水仙、もう一方はスミレが描かれている。スミレは珍しく宝塚を想い出す。

image4 04.珍しいスミレ、宝塚ではありません

真冬の服装でやって来たが暑い!行き交う車も少なく息を切らさ無いようゆっくりとした足取りで北東に向かう。

高知市から今は南国市となった旧「岡豊町」に入る。これで「おこう」と読む難読地名である。直ぐの対岸に高知大学医学部と付属病院の多くの建物が連なって見える。大学病院は愛媛県の重信川遡行時に見た愛媛大学医学部病院以来である。こちらの土手沿いのマンションらしき大きな建物は老人福祉施設になっている。隣の建物も同様で、目の前の大学病院が入居者にとっては安心なのであろう。最近は病院と介護施設にどうしても眼が行ってしまう。

image5 05.高知大学医学部と病院

image6  06.マンションと思いきや

image7 07.老人福祉施設が並んでるぞ

北東からの流れは東からの流れとなり、堰の中島の上には多くの鴨が羽を休め温かい太陽の光を浴びている。川面に近い広い平面は格好の休憩所である。シベリヤから飛来してきた鴨にとってはクールジャパンである。

image8  08.ここは気持ち良いなー

image9 09.オスの集団が

直ぐの広くも無い土手路に派出所が有る。土手路に派出所は珍しい。建物の入口には土佐名物の「尾長鳥」が長い羽根を伸ばしている。いきなりここに来てもここが高知県と直ぐ分かる派出所である。他には闘犬、カツオなどが派出所前に有るのかも知れない。

image10 10.この派出所は高知県警と直ぐ分かる

その名も「おこう橋」を越え、国道32号の「岡豊大橋」も越えて進むと地形図に記載されていない水管橋が現れる。2連のパイプアーチ橋の細い吊材にスパイラル状に紐が巻かれている。ハハーン、風がパイプの後に渦を造り振動させるのを鎮めるための振動防止対策をしたのだなー。軽くしたり見栄えを良くするために細くするとしっぺ返しがやってくる。

image11  11.細いパイプにスパイラル紐が巻かれている

国分橋までやって来ると親柱に四国88カ所の第29番札所の「国分寺」のレリーフが刻まれている。橋の直ぐ北西部に件のお寺はあるが立ち寄らない。

再び北東部からの流れになった土手を進み今日の打ち止め点の「国分川橋」に着き広域農道を南東に向かう。今日はここまで13橋を見て来たが鋼橋が8橋。その内無塗装橋が6橋も有る。今や錆色の全盛である。塗装塗替え不要ということで採用されているがこの先橋が全て灰色のPC橋と錆だらけの橋となると恐ろしい。

image12 12.第29番札所国分寺の入口だ

農道の北側の歩道は水路の上を覆った物で車道よりも低く、人家や田畑の入口毎に車道に合わせた高さにしているので凹凸の連続である。これでは歩くのが嫌になるので反対側の車道の橋を歩く。いささか人を馬鹿にした歩道である。

やがて国道195号の広―いバイパスにやって来る。バイパスの歩道を南西に進み土讃線「土佐長岡」駅に向かう。人が殆ど歩いていない歩道がめっちゃ広い。この歩道の上に簡易構造の津波避難施設でも造るのかなー。この広い平野の低地に南西地震に伴う津波がやって来ると高い丘や建物が無いのでこの歩道を利用する方法も有るぞ。

image13  13.これでは歩けない凹凸の激しい歩道

image14 14.なしてこんなに広い歩道が要るのだ

重くなった足を騙しながら13時8分に無事土佐長岡駅に着く。旧国道の傍にひかれた土讃線の駅のホームは超狭く、かつての阪神春日の道駅を思い起こす。ここを特急南風が100キロ以上のスピードで通過するのだ。直ぐの13時14分に土佐山田行きがやって来て乗車。なんとくろしお鉄道の阪神タイガース列車である。沿線の安芸市にいつもタイガースがキャンプにやって来るので鉄道も肩入れしている。小学生低学年の頃阪神友の会に入り、甲子園球場でミスタータイガースの藤村富美男に打撃を教えてもらったのを想い出す。

終点の土佐山田到着13時19分、13時28分発の南風に乗り帰路につく。車内で遅い昼のお握り2個でほっとする。わずか10キロの歩きであるが使用した25,000地形図は4枚と地図の隅の隅の地域であった。

image15 15.かつての阪神春日の道駅に負けない狭いホーム

 image16 16.阪神ファンがズイキの涙を流しそう

 

本日の歩行距離:10.1km。調査した橋の数:13。

総歩行距離:9,332.4km。総調査橋数:11,307。

使用した1/25,000地形図:「高知」(高知7号-4)、「土佐山」(高知7号-3)、「土佐山田」(高知7号-1)、「後免」(高知7号-2)