高知-6.仁淀川(その2平成26年4月24日(木)晴一時薄曇り 

昨夜は押し付けの料理では無くカツオのタタキと地鶏と野菜の焼き物の夕食を摂る。高知県がやっている竜馬パスポートを提示して生ビールのサービスを受ける。3種類の地酒のぐい飲み銘酒当ても注文し、見事に当ててもう1杯サービスを受ける。山の上ではあるが温泉も有り、日帰り入浴もやっている。見晴らし抜群の簡保の宿の窓から明け方の伊野の町と川を見る。7時40分過ぎに上りのアンパンマン南風号が橋を渡るのを上からカシャ。ついでに上流側の国道33号の仁淀川橋もカシャ。

image1 01.客室から見た夜明け

image2  02.鉄橋を通過するアンパンマン列車

image3 03.国道33号の仁淀川橋も近くに

8時に宿をチェックアウトして山の上の宿から下に降り、国道33号に出て橋を左岸側に渡る。橋は昭和5年完成の長大トラス橋の古強者である。当時はこの橋と土讃線の橋ぐらいしかなく、川を越えての行き来は大変だっただろう。幅の狭い橋は大型車のすれ違いが困難で、昨日歩いた伊野の手前にはつい最近完成したバイパスの橋だけ完成していた。よくぞ80年以上も持ちこたえたものである。

image4  04.仁淀川橋は昭和5年完成の古強者

image5 05.現役で頑張ってまーす

橋を渡り終える三叉路で国道33号から分岐する国道194号が始まる。吉野川流域で何度も出会った国道を今回もイクヨ。3桁国道ではあるが歩道完備の有り難い路である。

広い谷間を河川が占め、ゆったりと川は流れ常時は広い河原が広がっている。四万十と良く似ているが少し微妙な違いが有る。具体的には言えないが何となく雰囲気が違う。四万十が主役ならこちらは名脇役と言うところか。

image6  06.何度も出会った国道194を今回も行くよ

image7 07.広い河原が大河の証し

暫し歩くと国道と川との間の空間に山藤が薄紫色の花を満艦飾で垂れ下げている。背後の川と橋と山の上の宿をセットにしてカシャ。藤の色はなんとも奥ゆかしい色合いでこれぞ日本だ。この写真を見て伊野の仁淀川だと分からない土佐人はいないだろう?

image8 08.山藤の彼方の橋とホテル

道は徐々に西に方向を変え、全体として北西に向かっている。かつて昭和40年前後に高知、松山間の座席指定のミニ急行バスに乗って何度か通過した道である。

仁淀川橋を過ぎると10キロ近く橋は無い。右岸の日高村側は山が迫り集落が見当たらない。川を横断するほどのつながりが無いのであろう。加田地区に入ると小さな下水処理場が川側に在る。何となく匂うので旧道が有ったのでこちらに入る。すると直ぐにマンホールが足元に在るではないか。勘が見事に当たる。地名は伊野町になっているので平成の合併前の時代の産物である。1町2村の合併は対等合併であったため旧伊野町はいの町とひらがな表記になった。外から見ると前のままの方が好いのにと感じるのだが・・。絵柄は先ほど渡った橋で、橋が絵柄になっているのと出会うのは肱川河口の開閉橋以来である。嬉しいね、橋を調べている身としては。

image9 09.旧伊野町の絵柄は仁淀川橋

なかなか橋の現れない国道を黙々と歩く。先日降ろした夏用のドクターサンダルの底がすり減っていたので、早速通販で購入した全く同じ真っ新のサンダルを履き黙々と変化の少ない国道をひたすら歩く。この辺りは1日に10便以上のバスが通るのでいつでもSOSが出せるのでリラックスして安心して歩ける。特段川に変化の無い所で唐突に国管理区間から県管理区間となる。国管理延長は13キロ余りと短い。

image10 10.国管理はここまで

薄雲が懸かっているが今日も快晴で暑い。鹿敷地区に入り大きくペニス状に蛇行する渓谷に入る。道の駅「土佐和紙工芸村」が右側に現れ立ち寄る。建物の中を見廻り物色する。竜馬パスポートが使えるか聞くとNOとのこと。使用できる道の駅と使用できない所が混在し、対応にばらつきがあるのは困ったものだ。簡保の宿にも有った白檀の匂いが漂うトイレットペーパーが珍しいので土産に買う。リュックに入らないのでビニール袋をぶら下げての歩きとなる。

image11  11.道の駅「土佐和紙工芸村」に立ち寄る

北向きからペニス状の先端部で西にそして直ぐに南に向きを変えて進む。曲がり切った所で彼方に架かる名護屋沈下橋が見える。四万十には数では負けるが、ここ仁淀川にも沈下橋が有るのが観光案内図で分かった。

image12 12.名護屋沈下橋が見える

国道から沈下橋に向かう道の分かれ口には大きな案内標識が建っている。今日最初の橋に向かい国道から下る。新緑に縁どられた橋は映画のロケにでも使えるような佇まいである。

image13  13.大きな沈下橋の案内標識が

image14 14.四万十に負け取らんぞ

此処から上流では対岸の日高村にも所々に民家が見えるようになる。南向きの道が半島を過ぎたので再び西に向きを変える。楠瀬地区の対岸に屋形船が見え、鯉のぼりも泳いでいる。ここが仁淀川の遊覧船の乗船場のようである。八田の堰から上流には長い距離に亘って堰が無いので屋形船の航行が可能である。この渓谷に田圃が無い証しでもあり、日本一の清流の元は田が無いことと理解している。

image15 15.対岸は屋形船の乗船場

やがて本日二つ目の橋、柳瀬橋に到着する。予定ではこの先2キロほどの上八川川が合流する地点まで歩くつもりであったが、そこまでは橋も無くあと5分ほどでバスがやってくる時刻なので、今日はここまでとして通り過ぎたバス停に急いで戻る。バス停に到着と同時に嶺北バスがやって来て手を挙げて乗り込む。いつもは4,5分遅れで通過するバスがこの便に限って時刻通りにやって来た。伊野駅まで710円の乗車。

伊野駅5分の乗継で土佐山田行き普通列車に乗り込む。高知駅で下車し構内のアンパンマンスタンプを押し、所定の数が揃ったので駅員の確認を受け、申込み用紙を駅員に渡す。「速いほうですかね?」「速いですね」。当方は毎週四国に来ているので当然よ。

帰りは高知発の南風の先頭車の最前列のかぶりつきの席に座る。上り南風は自由席が先頭になるので何度かかぶりつきに座って帰っている。大歩危の鉄橋でカシャ。歩きの疲れが心地よい。

image16 16.かぶりつきの席に座り帰路につく

 

本日の歩行距離:14.3km。調査した橋の数:2。

総歩行距離:7,083.5km。総調査橋数:10,769。

使用した1/25,000地形図:「いの」(高知11号-2)、「越智」(高知11号-4)