京都1-1. 木津川(その2)平成30年2月4日(日)晴れ時々曇り

山陰は大雪の予報なのでしばらくは他地方に出稼ぎに出ることにする。淀川本流を終えたので3年前に少しだけ歩いた山城の「木津川」に向かう。
朝6時5分発の姫路行きに乗り、相生、大阪、京橋と乗り継ぎ京阪「八幡市」駅に9時46分到着する。大阪から乗ったかつての省線電車城東線の電車が新形式の3扉車に変わっている。東京の中央線のお古が長らく走っていたがやっとJR西の車輛に変った。京橋から乗った京阪の新しい特急車は満員すし詰めで、中国人のグループ客も大勢乗っている。南から地下鉄経由で淀屋橋から乗って来たのだろう。座席、車内しつらえは豪華だが新快速の130キロの速度から100キロ以下の速度に落ち、その速度差は大きい。
前回の折返し点まで京阪バスに乗り「上津屋流れ橋」バス停で下車。直ぐの売店でパン2個を買い木津川の土手に向かう。土手下に前回には無かった看板が立っている。平成27年4月にこの辺りの茶の800年の歴史を日本遺産として認定されたことを知らせる看板である。土佐の森林鉄道も日本遺産であったがこれで2カ所目の遺産である。

01.山城 のお茶が歴史遺産になっている

02.高―い土手に上がり南へ

土手に上がり対岸の方を見るとあの流れ橋の桁が全てもぬけの空になっている。渇水期なのに桁が無いとは!土手には「京都 木津川マラソン」の幟がはためきボランティアの誘導員が数名立っている。3mほどの狭い自歩道を進むとハーフマラソンの先頭がバイクに先導されながら川上側からやって来た。暫く間が開いて京都の進学有名校の生徒がやって来る。いでたちから陸上部であろう。高校時代の淀川の土手を走る耐寒走を想い出す。西風が強く吹き身体が煽られる。

03.流れ橋と川原のお茶が

04.高校陸上部2名が通過

寒風吹きすさぶ狭い土手路を進むとやがて大勢のランナーが途切れずにやって来る。マラソンの参加者は5千人にもなると教えてもらう。2kmほど進むと地形図には記載されていない「新名神高速道」の橋が完成し供用されている。新名神の大津~高槻間は京滋バイパスが完成しているので当面不要との烙印が押されストップしていたはずだが、京奈和道の城陽JCTと第二京阪道の八幡JCT間の短区間だけが完成しているようだ。平行して南北に走る二つの高規格道の間を繋ぐ道を通過する車は無くガラガラの状態である。八幡から高槻の間は住宅が密集しルート選定と用地買収が困難な区間になりそうだ。
橋は最新の知見が織り込まれた構造で、上下線それぞれが少数2主桁で、応力が大きい支点部と径間中央部では2主桁を繋いだ箱桁形式になっている。横から見れば凸凹した形で見栄えは良くないぞー。片側2車線の外側には将来1車線が追加できるよう用地が確保されている。

05.出来立てホヤホヤの新名神高速の木津川橋

06.I型桁と箱桁を場所ごとに変化させて採用した最新式の橋だ

07.4車線の両側に1車線づつの拡幅が可能

続いて高規格道の「京奈和自動車道」の橋が現れる。一般国道24号の高規格道で1号線の京滋バイパスから分岐し、大津、京都、大阪を通らずに奈良、和歌山に向えるが木津川市迄の部分開通である。それにしても木津川の下流側から国道1号、第二京阪国道(国道1号)、新名神高速道、京奈和道(国道24号)と高規格の道路橋が立て続けに架かっている。
上下4車線の自専道の外側には1車線の狭い車道と、更に外側には自転車レーンと歩行者道がパイプで区別された道まで有る。何とも贅沢な橋である。桁下から上を見れば一番外側の自歩道の桁が橋脚から張り出された梁に乗っかっている。ハハーン当初は狭い1車線部を自歩道にする計画であったが、京奈和道の延伸に伴い本線部を自専道に指定すると原付を本線にも自歩道にも走らすわけにはいかないので自歩道を原付レーンに、自歩道は急遽外側に追加することにしたのだろう。
土手から橋の際まで来ると車道と原付道と自転車レーンと歩道と道路端と4種類の柵がズラリと並んでいる。前後に一般の軽車両と歩行者が渡れる橋が少ないことから生じた結果である。三者三様という言葉があるが、ここは四者四様だ。流れ橋(府道)の桁を外した京都府は国におんぶにだっこだ。幅が広―い橋の下は絶好のマラソンの給水、補給所になっている。

08.京奈和自動車道の外側には自歩道と原付道も添付されている

09.自歩道は後から急遽追加されたように見える

10.橋の下は給水所に最適

11.京奈和道は国道24号であるが有料道路だ

先ほど擦れ違ったマラソンランナーが折返し点からUターンして後ろから追い越して行く。前方からも大勢のランナーが固まって団子になって擦れ違う。狭い土手路を大勢のランナーが往復するのは危険で、土手の端を歩いているのにわざとぶつかってくる不届き者がいる。そこのけ、そこのけランナーが走るのだ!狭い道ですれ違うコース設定に問題がある。
南北方向の川が東西方向に変わると近鉄京都線の22径間の橋が川を越えている。かつての奈良電に京都から鳥羽、賢島、奈良、柏原神宮に向かう特急が走っている。橋際のベンチでパンの昼を摂る。2階建てのビスタカーの車体塗色、デザインが変わっている。白地に黄色が主体のデザインで品格が落ちているやんかー。

12.強い風に負けず大勢のランナーが走る

13.近鉄ビスタ―カーの車体塗装が変わったぞ

15分ほど休んで歩きを再開する。この自転車道は嵐山の桂川から木津川市までの45kmの長い道である。木津川遡行はこの自転車道の終点の木津川市の「泉大橋」まで行くことにするかな。

14.マラソンはこの土手路を利用して開催

東西の流れがほぼ南北の流れに変ると遠くに国道307号の「山城大橋」の単弦アーチが目立つ。アーチ径間は普通、川の主流部に架かっているものだが、この橋は左右対称形にこだわったのか左岸側の高水敷きに有り奇異な感じがする。単弦ローゼにする必要性が感じられず、モニュメント性を出したい趣味の感じがする。

15.国道307号の「山城大橋」は単弦ローゼが真ん中に

橋を越えると広い河川敷がマラソンの起終点で多くのテントと人がいる。橋を下から見て土手に上がりJR京田辺駅に向かう。ここからの帰路は多くの経路が考えられが一番素直な片町線(学園都市線)で尼崎に出て新快速に乗る経路とした。気動車時代に乗ったので40年ぶりぐらいの片町線である。

本日の歩行距離:10.8km。調査した橋の数:4。
総歩行距離:9,779.5km。総調査橋数:11,832。
使用した1/25,000地形図:「淀」(京都及大阪7号-2)、「宇治」(京都及大阪3号-4)、「田辺」(京都及大阪4号-3)