兵庫-9.猪名川(その3) 平成24年12月20日(木)晴れ

先行する貨物列車の遅れで新快速も10分ほど遅れて尼崎駅に着く。予定していた福知山線の電車は到着と同時に発車して行く。これで川西池田駅からの数少ない多田大橋方面行きのバスには乗れない。JR駅から阪急駅に通じる立体屋根つき連絡路を歩き駅南の立派なバスセンターに向う。かつての川西能勢口駅はすっかり様変わりし、高架駅に変わりバスセンターも併設している。大都市級の見事なバスセンターで、これではJRは阪急には太刀打ちできない。こちらからも多田大橋経由の柴合行きのバスがあるので急遽設計変更する。ところでこの柴合と書いてなんと読むんでっか?これは「ゆうだ」とゆうだー。
前回の折返し点の多田大橋バス停で降り遡行を開始する。県道12号は薄暗い狭い渓谷に入って行き道幅は狭い。渓谷の両側には大規模な団地が広がっているはずであるがこの渓谷の底からは見えない。この辺りには○○台と名付けられた大規模団地が数多く有る。やがて東側からか細い流れの一庫大路次川が合流してくる。この川を遡れば、能勢電の日生中央駅を経由し国が建設した一庫ダムが有る。このダムは猪名川左岸側の川西、伊丹、尼崎各市の上水道の水源になっている。この川と先日越えた余野川、箕面川は大阪府から流れてくるので次の機会に歩くことにする。清和台の東端から北端の渓谷を過ぎると、川沿いに道は無いので川と暫し別れて歩く。直ぐに川西市から猪名川町に入る。ここが瀬戸内側に流れる川の最後の自治体である。猪名川の源流部から此処までを町域とする川と町が一体になっている。イイナー。細い県道が4車線の堂々たる県道バイパスに併合される。県道は大きく西に回りこむので、直ぐの交差点から北に向かう町道に入る。角には巨大な猪名川町のマスコットキャラクターの「いなぼう」なる豚らしき像が迎えてくれる。

 01.川西市から猪名川町に入る

 02.猪名川町のマスコットは豚?

猪名川との間に横たわる山の西麓の坂道を登り峠を越えると、前方の広い平地では新名神高速の工事の真っ最中である。

 03.新名神高速の工事の真っ最中

猪名川と再会し、川近くの道をジグザグに進む。小山の麓沿いには武庫川の上流部で見かけたのと同じ入母屋屋根の立派な民家が続いて建っている。北摂にはこの見事な民家が数多く有るようだ。道沿いの一軒の民家は家屋は勿論、塀、庭木とも素晴らしくこれぞクールジャパンの家である。一見の価値あり。

 04.北摂には立派な入母屋の家が続く

 05.なんとも品格のある民家、これぞクールジャパン

これも難読地名の「柏梨田(かしうだ)」の橋、そして柴合(ゆうだ)橋と渡り北を目指す。西側を迂回してきた県道12号と再会し、再び県道を歩く。やがて木喰仏で有名な東光寺の大きな石名碑が現れる。県道の直ぐ際から石段が誘う。10mほど登れば余り広くは無い境内が広がる。山門の直ぐ右に有る鐘つき堂には洗濯物が干されている。屋根つきで風通しの良いここは絶好の干場である。「服干せば 鐘が鳴る鳴る 東光寺」。

 06.東光寺は県道の直ぐ傍

 07.鐘つき堂は絶好の洗濯物干場

道が右に90度曲がれば今度は名勝、屏風岩が橋の上から真横に見える。四国の川を歩いてくればなんとも無い岩で、案内板が無ければそのまま通り過ぎる程の景色であるが、この付近では名勝なので一応立ち止まって見惚れた真似をしておく。

 08.猪名川の名勝、屏風岩

直ぐにこの川沿い唯一の道の駅「いながわ」に到着。生そばの店は混んでいるのでうどん店に入る。この広場にもくだんのマスコットが建っているので店の人に聞くと、「あれは猪名川名産の猪ですよ」とのことで、どう見ても豚なのであるが・・・。
今日は20kmほど歩くので食後すぐに歩き出す。無風快晴で快調に県道を進む。この県道は篠山まで続く道で、歩道が切れ目なく有り助かる。県の施設である「ふるさと館」に東光寺では見られなかった木喰仏の写真が掲載されていたのでカシャ。杤原地区の八幡神社はこんもりと茂った森の中に埋もれたように見える。

 09.ホンマモンが見られなかったので写真で我慢

 10.八幡神社は鬱蒼とした森に鎮座
丘の上の今日宿泊する「メープル猪名川」の建物を左に見、更に北に淡々と歩く。予定していた日生中央行のバスの時刻が迫った、その名も「出合橋」を診てから大島小学校前のバス停でバスを待つ。目の前の松山寺に行く道は右の階段と左の急坂と二つ有る。どちらがいいかなーと考えていると時刻通りにバスがやってきて乗車。ホテル近くの林田口バス停で降り、急坂を登りホテルに向かう。

 11.松山寺には階段が好い、それとも坂道が好いか?

今日の歩行距離:20.5km。調査した橋の数:27。
総歩行距離:5,407.0km。総調査橋数:8,822。
使用した1/25,000地形図:「広根」(大阪及京都11号-2)、「武田尾」(大阪及京都11号-4)、「木津」(大阪及京都11号-3)